「一夜革命」というのも希哲館事業では昔から使っている言葉だが,やはりデルン実用化前のことなので,最初期の詳しい記録は残っていない。
希哲館事業を始めた時から,事業の全体像を“理解”してもらうのは不可能だろうと思っていた。
そんなものをどうやって世の中に広めるのか。もちろん,暴力は使えない。そう考えた時,私は秀吉の「石垣山一夜城」の伝説を思い浮かべた。山頂の木立に隠れて築城を進め,完成してから木を伐り,全貌を現す。一夜にして現れた立派な城を目の当たりにした敵は混乱,戦意喪失した,という話だ。
これは究極の平和革命,無血革命を越えた「無声革命」の方程式ではないか。そう考えてから,この「一夜城」は希哲館事業の模体となってきた。
いまデライトを覗いている人は,いわば,一夜城が築かれていく過程を目撃している人だ。