{終 K#F85E/A233}
宇田川浩行{希哲17年7月25日の日記 K#F85E/0758-4146}
宇田川浩行{希哲17年7月24日の日記 K#F85E/0758-7805}
宇田川浩行明日から長期安定体制仕上げの後半戦だが,旧雑務も想定より早めに片付きそうで,早速気持ちが弛緩し始めている。
長期安定体制の完成まであと一息という希哲館事業・デライトとは対照的に,Twitter は崩れ落ちる音が聞こえそうなくらいの混乱ぶりで,ついに,Twitter の名称と語体を「X」に切り替えるそうだ。既存用者が気の毒なくらい,ブランディングやデザインの観点からは明らかな悪手だが,色々考えさせられた。
イーロン・マスクが,センスの権化のような存在だったスティーブ・ジョブズと一部で並び称されることにずっと違和感があったのだが,やはりこの人には根本的にセンスがない。
「X」になんとなく既視感があるなと思ったら,14歳くらいの頃の自分も,「X」のような意味深な名前で,漠然と万能な凄い司組を作りたいというようなことを考えていたからだったことに気付いてしまった。イーロン・マスクという人は,本当にその辺の中2の感性を何のひねりもなく50過ぎまで持ち続けているのだなと思う。難解で理解出来ないのではなく,幼さが痛いほど分かってしまう。
司組も大きく改変されて,Twitter というブランド・根想が辛うじて,表面的に Twitter らしさを保っているだけだなと思っていたところなので,この変更をもって事実上「Twitter の終焉」とすべきなのかもしれないとも考えた。しいて言えば,用者と献典が依然として残る遺産だが,それも,所有者の感性がこれだと腐っていく気しかしない。
もっとも,とっくの昔にゾンビ化していた Twitter をそのまま健全化するなんてことは最初から無理な話だったわけで,マスクはその現実を覆い隠さず世間に突き付けただけとも言える。ゾンビになっても騙し騙し生かされてきた Twitter にとっては,ようやく安らかに眠れる良い機会かもしれない。
{希哲17年3月21日の日記 K#F85E/E74C-E46E}
宇田川浩行{希哲17年1月25日の開発 K#F85E/E74C-7E8A}
宇田川浩行テーマ切り替えボタンの用合い検討(4歩),新規描出フォームへの移動機能として吹き描き外背景のダブルクリック用合いの復活(10歩),全知検索ページャー周りの調整(16歩),こまごまとした領当て・装体調整(17歩)といった雑多ながら充実した作業を片付け,ついに描写後略機能を一段落させた(21歩)。出振るい・手定め済み。
描写後略機能により,デライト最初期から吹き描きの構造的問題だった「不必要な出与え読み込みの多さ」という問題が解消した。表示速度向上,通信量削減,SEO 強化,迷惑行為対策など多大な効果が見込める。
デライト高速化の現状と今後
昨年末の壊衝不具合修正以後,デライトは速度・安定性ともにウェブ相振りとして十分な水準に達していたが,今回の高速化を経て,明らかにもう一つ壁を越えた感がある。体感として,「ウェブ相振りなら特に不満のない速さ」から「単動相振りと比べても遜色のない速さ」になった。
一昨年4月9日に掲げた「全ページ0.3秒以内表示」という目標は埋め込み利素を考えると現実的ではない気がしてきたものの,軽いページでは200ms台,重いページでも概ね300ms台で応答出来るようになっている。実感として欲しかった速度は手に入れられたし,最適化余地はまだまだ残しているので「埋め込み利素を除いてほぼ全てのページで0.3秒以内表示」なら十分手が届く。いよいよ本格的に,速さがデライトの武器になってきた。
ここで新生デライト開発におけるデライト高速化は一段落とし,今後は機能追加やトラフィックに応じた微調整に留め,別の機能整備に集中することにした。
その先のデライト高速化については,大きなところでは CDN 導入,KNEST による水平拡大,請い手の隠し機能整備,描写 HTML 隠し以外の HTML 隠し実装,そして中途半端な状態で放置しているページ付け求頼改良があるが,どれも現時点での優先順位は低い。
{希哲17年1月14日14歩 K#F85E/E74C-D83F}
宇田川浩行{希哲16年12月21日の入浴 K#F85E/E74C-39E4}
宇田川浩行{希哲16年12月21日の日記 K#F85E/E74C-F8A4}
宇田川浩行体調は持ち直したが,考え事が多かった。というより,ここ数日の脳疲労の一因がこの考え事にあることに気付いた。
10月から長期戦態勢に転換し,時間に追われることなく悠々自適な生活を送っていたが,第三次快調期といっていい最近のデライト開発で,また危険な欲が出てきている。
デライトが進歩すればするほど,更なる進歩のための時間が欲しくなる。時間を捻出するための金も欲しくなる。とにかくこの疾走感を失いたくない,という感情が日毎高まっている。そして,今のデライトにはすぐにでも完全な成功を果す力がある,という期待感もまた日毎高まっている。
一方でこれは,希哲館事業を危険にさらす衝動でもある。このまま悠々自適な長期戦態勢を維持すれば,いつになるかはさておきデライトの完全な成功は確実に果せるだろう。しかし,それを希哲館事業の理想の実現に繋げるためには,やはり早さが必要になる。冒険を避けていては,その可能性が時間とともに失われていく。
希哲館事業にとっては,急いても待っても崖っ縁だ。無理をしてもいけないが,悠長に構えていてもいけない。ここ数日,激しいせめぎあいが続いていた。
一刻も早い希哲館事業の成功のために全てを賭けるか,確実な成功のために危険を徹底的に排除するか,という両極端な思考に陥いっていることに今日ふと気付き,「ばら成しを取る」という選択肢が見えてきた。最低限の安全網は確保しつつ,しっかり冒険もする,という道を探ることにして,ようやく気持ちが落ち着いた。
昼頃,希哲荘の古い給湯器がついに壊れて湯が出なくなった(整清記録)。
最初は,この忙しくて寒い時期に,と少し腹が立ったが,17年以上持ち堪えたかと思うと,だんだん感謝の念が湧いてきた。希哲館事業のために,色々な物や人に無理をさせてきたんだなと感傷的になったりもした。
そんな気持ちが通じたのか,深夜になってなぜかまた湯が出るようになった。新しい給湯器が来るまで持ってくれれば大助かりだ。
一応,給湯器が使えなくても何とかなるように対策は講じておいた。久しぶりの非常事態で,あれこれ試行錯誤するのもちょっと楽しかった。
dlt.kitetu.com
}{デライト2周年}{難}{一段落}{一編}{研究}{話}{今}{形}{英語}(600){デライトの歩み K#F85E/E74C-09D2}
宇田川浩行デライトは,今年の2月13日に2周年を迎えたばかりの若いサービスだ。しかし,その背景には長い長い歴史がある。詳しく書くと書籍数冊分くらいにはなる話だ。デライトの完全な成功を目前にした良い頃合いなので,駆け足で振り返ってみたい。
輪郭法の閃き
技術としてのデライトは,私が17歳の頃,主に哲学と情報学への関心から「輪郭法」を閃いたことに始まる。2002年,もう20年前のことだ。デライトにおける輪郭法の応用については,「デライトの使い方の考え方」で出来るだけ簡単に解説したつもりだが,本来の輪郭法は,“輪郭という概念を中心にした世界の捉え方”であり,哲学用語でいう「弁証法」に近い位置付けの概念だ。
このアイデアが,哲学上の理論に留まらず,極めて実践的で,極めて強大な技術になりうることに気付くのに時間はかからなかった。これを応用することで,計算機科学における長年の最重要課題を解決し,知能増幅(IA)技術の実用化につなげることが出来る(参考)。すでに IT 産業の勢いが明らかだった当時,これは“世界史上最大の成功”と“知識産業革命”への道が開けたことを意味していた。
さらに,アメリカ同時多発テロ事件が起こって間もない頃だ。後の英米政治危機,世界に広がる社会分断,SNS の暴走,そして目下のウクライナ侵攻を予感させる事件だった。
あらゆる争いの背景には,世界の広さに対する人間の視野の狭さと,それによる“心の分断”がある。当時から私はそう考えていた。我々は,世界の一部分をそれぞれの立場から見ているに過ぎない。立場が違えば見える世界も違う。その衝突を回避出来るとすれば,個々人の世界に対する視野を広げるしかない。輪郭法の応用技術にはその可能性があると感じていた。この考え方が現在の KNS という概念につながっている(参考)。
葛藤
この閃きは止まるところを知らなかった。17歳の少年の人生観も世界観も,何もかもを瞬く間に作り替えてしまった。この閃きをどこまで大きく育てられるか,それだけを考える人生になった。適当に金に換えることも出来たかもしれないが,世界にかつてない平和と豊かさをもたらす鍵を手に入れたようなものだ。中途半端な売り物にすることなど,現実には考えられなかった。能う限り最高の状態で世に出さなくてはならないと思った。
もちろん最初は,とんでもない宝くじに当たったような気分だった。天にも昇る心地とはこのことだろう。どんな人生の喜びも,この喜びには勝るまい。少しばかり時間が経ち,冷静になるにつれ,呪いのような重圧に苦しむようになった。