言語を表記するため体系的に用いられる記号。またその体系(文字体系)。字。
ラテン文字や漢字が典型例だが,広義には点字のように必ずしも視覚によらないものも含む。また情報処理では,+
や /
のように一般に文字ではない記号(符号)と認識されているものや,制御文字のような機械のための符号を含めて,文字交度で定義されている情報の最小単位を文字と呼ぶことが多い。
「文字」という語
現代日本語では単に「文」といえば文章や文法上の文,「字」といえば文字を指すことが多いが,元来「文」とは模様の意で漢字の最小構成要素を指す語でもあり,「字」は「子」を含んでいることから分かるように文を組み合わせた派生的な漢字のことだった。「漢字における文と字」を意味する語が文字一般を指すようになったと思われる。
漢字音から考えて古くは「もんじ」と読んだと思われるが,現代では通常「もじ」と読み,「もんじ」と読むのはある種の熟語(「一文字」「十文字」)や仏教用語(「不立文字」)など特殊な用語に限られる。