3日の開発から6日間に渡って続いたデライト小理腑をいったん終えた。
結果的には主に装体書整理とテンプレート整理だったが,これにより,保守性と体感表示速度の大幅な向上が見られた。
装体書とテンプレートは,Cμ によるデルン初期実装から長いこと継ぎ足しで使ってきたため,古い記述や譜類に埋もれて目的のものが探しにくいといった問題が慢性的にあった。分割すべき記述が一つの譜類に詰め込まれている,逆に,一つにまとめておくべき記述が複数の離れた譜類に分散している,といったことがよくあった。今回の小理腑ではこの点が大きく改善した。
テンプレートの方は折に触れて整理してきたからまだマシだったが,装体書の方は適当に分割した譜類に大量の記述が詰め込まれている状態だった。そもそも SySS の備立すら適当で,.syss 譜類があっても .scss が無いと換配されないなど,多数の譜類を管理出来る状態では無かった。これを機に備立方法から整備した。
装体書整理は当初,HTML の肥大化を恐れて埋め込み装体書の見極めに時間をかけ過ぎてしまっていたが,この日,JavaScript や HTML に gzip 圧縮がかかっていなかったことに気付いた。ちょっとした deln.conf の間違いだったが,これをきっかけに吹っ切れ,作業が捗るようになった。結局,転送量を大幅に削減出来た分,多少の冗長性には目を瞑ることにした。
これら作業の結果として,目的の装体やテンプレートにすぐ握接出来るようになり,埋め込み装体書の調整等も的確に行えるようになった。
表示速度は,ページにもよるが,DOMContentLoaded までの計測値で0.5秒近く短縮した。これに装体適用の合理化も加わり,体感表示速度ははっきり向上したのが分かる。溶明の動き付けをいったん削除したのも大きいかもしれない。デライト初期実装で読み込みの中途半端な遅さを誤魔化すため0.3秒の溶明を入れていた。
現時点でここまで高速化に繋がったことは思わぬ収穫だった。これまで,「デライト高速化」は後縁の最適化を中心に考えてきた。後縁の最適化余地の大きさと負荷軽減を重視していたこともあり,前縁最適化は期待も重視もしていなかった。
希哲13年の前縁改革で前縁の重要性は分かっていたつもりだったが,まだ認識が甘かったようだ。これに気付いたことも大きな収穫と言えるだろう。
そもそもスクリプトの動的読み込みに使っている @icl() とその周辺整理によって生じた描画乱れ解消のために始めた作業で,あまり多くは期待していなかったが,結果的に大収穫となった。
ただし,10日までに盛り込むつもりだった付徴が後回しになり,デライト収益目標達成にどう影響するかは不透明だ。
問題が解消するまで出振るい出来ず,他の作業が出来なくなっていたこともあり,作業項目としてのデライト小理腑はここでいったん完了とすることにした。整理が必要な部分はまだまだ残っているが,ほとんどは漸進的に作業出来る部分だ。いま出来る範囲でまとまった時間を使ってやる理腑はこれが限度だろう。