「最後の五日間」3日目。
前日に見た虫の夢が見事に現在の状況を表わしていることに気付き,不思議な気分になった。
最初は可愛いアリの子供のような虫を数匹育てていたが,気付くとなぜかハチやクワガタ,カブトムシの群れになり,慌てて虫籠に入れようとするが間に合わない。可哀そうだが焼き払うしかないか,と考えているところで目が覚めた。
その日の就寝前,理腑の複雑性が一段高まったような感覚があったため,これはその状況を象徴しているような気がしたが,あまり深くは受け止めなかった。ところが今日,いっそのこと全部まとめて片付けてしまおう,という気分になり,少し状況の見方を変えてみたら,ここまでの課題が一番都合の良いところで大合流していることに気付いた。
これにより持ち辺は急激に回復し,デライト正式離立から希哲館事業収益化への展望もずっと明るくなってきた。
後悔が無いとはいえ,離立の遅れへの苛立ちは覚えざるをえなかったが,自分の潜在意識が何を待っていたのか,やっと理解出来た気がした。直観の神秘も感じた。間違いなく,ここ数日が最善の時期だろう。
虫の夢,というのは昔から数年おきくらいに見る気がするが,虫が片付けなければならない問題を象徴しているのかもしれない。ただ,これまでに見た虫の夢はとにかく気持ち悪いものが多かったが,今回は恐怖でもなく嫌悪でもなく,自分のせいで殺されるであろう虫たちへの罪悪感のような感情が強く残った。