{稚拙な文章}{読む力}{書く力}{甘美な幼年期}{あれ}{反教導と税の作文}(6)

{あれ K#EDD2/8FD8}

実を言えば、書き手は、自分の書いたものに我慢できなくなってからが本番です。才能に恵まれた者だけが体験できる、自分の中にあるもの/書きたいものを外に吐き出すだけで満足できる、甘美な幼年期は終わりました。少なくない書き手がここで筆を置きます。

 書く力が読む力に追いついた今、書くのが楽しくて仕方がない。そのような、甘美な幼年期を、いまさらになって私は迎えている。学生の頃の私はむしろ、書くことが苦痛でしかなかった。書きたいことが書けない苦しさ、そのとき読んでいた小説と比較して稚拙な文章を書かざるを得ない苦しさ。

 書く力が読む力に勝っている状態が続く方が楽しいのかもしれない。

(1){あれ}
{反教導と税の作文}

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