{あれ}(1)
{普段目にすることのない野性味がある相貌の人達}{偶発を活用する}{防御的すぎる}{あれ}{人々の社会性の現れ}{防御的観察}{参与できない自己の正当化}{文化祭のときの私}{核のない人の波}{アルコール飲料を片手に歩く人達}(21)

{お祭り|2023年9月16日散歩 K#EDD2/5EDF}

せっかく新しい靴を買ったのだからと散歩に出たところ、歩道は妙に人が多かった。

近所で祭りをやっているようで、八幡宮の敷地内に夜店が立ち並んでいるのが遠くから見えた。

散歩の往路ではそのボッタクリ回廊の中心から逃げるように迂回する経路を取った。いつも通りからの逸脱を避けてしまった

そうして歩く内に「あまりに防御的すぎる」「こうした積み重ねで人生経験が乏しくなる」「偶発を活用するのが肝要」と思い直して、混雑の中心に向かって進んだ。

夜店でできた即興の街路は人々で充満していた。様々な人たちがいた。アルコール飲料を片手に歩く人自撮りをする人普段目にすることのない野性味がある相貌の人。外の暑さを知らずに長袖を着たまま外に出た私と違って、みんな集団に溶け込んでいるようだった。

特に催し物があるわけでもなく核のない人の波だな、人々の社会性の現れだな、と思っていたところ、私が自身の自尊心を守るために観察者としての態度を取っていることに気づいた。参与できない自己を正当化している。この防御的観察をする自分に見覚えがあった。学生時代の文化祭のときの私だ。

最初に人の群れを回避した理由に得心し、学生の頃から変わらない自分を再発見したことに満足したため、近所のコンビニでICEBOXとコーラを買って帰った。

(1){あれ}
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