当初、希哲館訳語はその Org-Mode でちまちま管理していましたが、やはり平面的な階層構造で扱える情報ではなく、貧弱なものでした。ウィキには同形異義語を上手く扱えないという語彙研究には致命的な問題がありました。そこで「立体階層構造」で同形異義語も区別出来るデライトの出番だったわけです。

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TheBrain は、簡単に言うと「中心点を切り替えられるマインドマップ」で、まさに「立体マインドマップ」です。階層構造とネットワーク構造を原理から統合し、これまで階層的には扱えなかった量の知識を「多重階層構造」というネットワークで扱うデライトに通じるものがあります。

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デライトの輪郭構造は、階層的でもありネットワーク的でもある脳の構造をより統一的に表現出来るように、開発者が18年前に考案したものです。輪郭構造では、「ネットワーク状に交差する無数の階層構造」として脳を捉えます。

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平面的な階層構造でどう立体的な情報を扱うか、このアウトライナーにおける最先端の課題に「立体アウトライナー」というキャッチフレーズを引っ提げて切り込んだのがデライトです。デライトは、階層構造とネットワーク構造の性質を兼ね備えた「輪郭構造」を新たに作ってしまうという暴挙に出ました。

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この知番によって、デライトでは「名前」にとらわれず情報を扱うことが出来るようになっています。デライトでは、名前を考えずに思いついたことを書けますし、名前によらず厳密にリンクを張ったり共有することも出来ます。これが内部的な識別子ではなく、ユーザーが直接扱えるように設計されているのが知番の革新性です。
大抵の場合、ページやブロックと呼ばれる単位に付けられている識別子は固定長で、人間が直接扱いやすいようには設計されていません。

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面白いことにこれが個人知識管理ツールの分類に使えます。知性とは「情報同士を結び付ける働き」であり、ネットワーク構造を重視するウィキ系はこれに当たります。理性とは「情報を整理統合する働き」であり、階層構造を重視するアウトライナー、マインドマップ、ロジックツリー等がこれに当たります。

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まさに四次元ポケット的なサービスだった Evernote 登場以後、個人知識管理の観点から様々な試行錯誤が行われ、階層構造を重視するアウトライナー系とネットワーク構造を重視するウィキ系の二大潮流が生まれました。これを統合しようとする Roam Research が話題を集めたのは今年のことです。
