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個人知識管理サービス（Evernote、OneNote、Google Keep、Notion、WorkFlowy、Dynalist、Roam Research、Scrapbox 等）は色々ありますが、興味深いことに、SNS と統合した有名サービスはありません。Twitter のようなマイクロブログは個人知識管理と親和性が高い筈なのですが、何が壁なのでしょうか。

その両者を統合しようとしたのがここではお馴染みの Roam Research です。最近では WorkFlowy が「ミラー」という機能で単純な階層型からの脱却を計ろうとしています。「階層とネットワークの統合」は個人知識管理において最先端の課題になっています。

TheBrain は、簡単に言うと「中心点を切り替えられるマインドマップ」で、まさに「立体マインドマップ」です。階層構造とネットワーク構造を原理から統合し、これまで階層的には扱えなかった量の知識を「多重階層構造」というネットワークで扱うデライトに通じるものがあります。

メモアプリ、メモサービスにおける大きなトレンドは「統合」です。Notion は言うまでもなく、Roam Research もその流れにあります。しかし、実際にはより細かい需要に応えるようにツールは乱立傾向にあり、ユーザーの間では意図的に使い分ける文化も育まれています。

この知番によって、デライトでは「名前」にとらわれず情報を扱うことが出来るようになっています。デライトでは、名前を考えずに思いついたことを書けますし、名前によらず厳密にリンクを張ったり共有することも出来ます。これが内部的な識別子ではなく、ユーザーが直接扱えるように設計されているのが知番の革新性です。

大抵の場合、ページやブロックと呼ばれる単位に付けられている識別子は固定長で、人間が直接扱いやすいようには設計されていません。

余談ですが、開発者は、ここでいう悟性を中心に発展した東洋思想を「悟りの文化」、理性を中心に発展した西洋思想を「語りの文化」と呼びます。デライトの設計思想には「東西思想の統合」という壮大なテーマも隠れています。今後そんな話もしていくかもしれません。では次回スレッドもお楽しみに！

個人知識管理サービスもまた、悟性・知性・理性という認知の三段階に沿った発展を遂げています。「とりあえず放り込むだけ」（悟性）で成功した Evernote に始まり、ウィキ（知性）系、アウトライナー（理性）系に分かれ、Roam Research が両者を統合しようとしています。

Roam Research についてはスレッドの途中でも何度か触れていますが、階層構造とネットワーク構造の統合を目指し、単なる便利なメモサービスに留まらず、人類知のあり方を変えようという意欲を感じさせるところなど、デライトに似たものがありました。本格展開が今年からという「同期」でもあります。

まさに四次元ポケット的なサービスだった Evernote 登場以後、個人知識管理の観点から様々な試行錯誤が行われ、階層構造を重視するアウトライナー系とネットワーク構造を重視するウィキ系の二大潮流が生まれました。これを統合しようとする Roam Research が話題を集めたのは今年のことです。

そもそも動物の脳は「意思決定を最適化するための機関」です。情報を統合し、必要な時に瞬時に取り出せなくてはいけません。このために要請されるのが階層構造です。ドラえもんの四次元ポケットではないですが、いざという時に重要な情報を引き出せない脳は生存競争の過程で淘汰されます。