ご要望・ご提案ありがとうございます。Yaku Han JP については全く知らなかったので,勉強になりました。約物の隙間については確かに気になるところではありましたが,ご要望をきっかけに初めて本格的に検討してみました。
まず,Yaku Han JP の導入については,少し時間をかけて検討を続ける必要があるな,という印象です。
紙媒体と異なり,ウェブでは様々な閲覧環境に配慮する必要があります。全ての閲覧環境,全ての場面で,全ての人がそれを望むか,という点で,Yaku Han JP が万能の解決策とはまだ確信出来ていないです。
Yaku Han JP の例文を見た私の個人的な感想は,「それは詰まり過ぎじゃないか?」でした。見ようによっては,文章の構造が分かりにくいとも言えます。文字サイズを小さくするとよりその問題が大きくなると思います。紙媒体等では一文字ずつ調整するのでしょうが,一律自動でとなると難しいところです。
そもそも,最大手サイトから軒並隙間のあいた約物を見ているわけですから,「慣れ」もありますよね。もっと言えば,なぜ多くのフォントで半角約物が採用されていないのか,という素朴な疑問もあります。それは,部分的に問題があるにしても全体としてそれが無難だからではないかな,という気もしています。特に紙媒体の業界から来た人はウェブの大雑把さに厳しかったりしますが,実は全体最適化の結果であるように思います。
それをウェブフォントで上書きする,というのは,良く言ってトリッキー,悪く言えば乱暴,という印象が拭えません。
また,軽量とはいえ,高速化を追求する上で外部リソース読み込みは紛れもなくコストです。利益と天秤にかけて,とまで考えると厳しいところです。
そういった意味では,スクリプトで解決してしまう方が正攻法かもしれません。特定パターンの文字列の letter-spacing
を調整する程度のことであれば,そこまで複雑なコードにも重たい処理にもならないはずです。
ただ,もし閲覧者が半角約物フォントで閲覧していたら,といったことまで考えると,そこまで積極的なことは出来ないかもしれません。
このような問題に対する本筋・本命の手段はやはり CSS だと思っています。カーニング関連の仕様も充実してきているので,究極的にはそれを待つしかないかもしれません。