「全てのデライターへ」を書きながら,用者が増えない“不思議な一年”について考えていた時,これがデライト開発の快調期と重なっていることに気付いた。
快調期が始まったのは昨年3月からだが,用者が増えないと感じるようになった時期と符合する。用者が少ないことで面倒事が減り,開発に集中しやすくなったとは漠然と感じていたものの,二つの現象をそこまで強く結び付けていなかった。宣伝の抑制はよくあったが,ごく感覚的なものだった。だから,ぱったり用者が増えなくなったことが不思議でもあった。
最近になってまた新規用者の増加が見られるようになったが,これは第四次宣伝攻勢開始後,第二次知番改良が終わり KNEST 隠しの実装方針がまとまった6月後半からだ。自動知番拡張と高速化は過去の宣伝攻勢を失速させていた課題だ。毎回何とかなるだろうと見切り発車していたが,今回は本当に上手く行った。6月30日の日記に「これでようやく青天井が見えた」と書いたように,初めて抑制の必要を感じなくなった。
用者対応の軽減や仕様変更のしやすさなどは枝葉末節で,結局,最適化を限界まで遅らせたことで高い開発効率を維持することが出来た。その環境を作り出すために,無意識にというべきか結果的にというべきか,用者数の抑制をしていた。宣伝の抑制もあるし,恐らく近寄り難い雰囲気も出していたのだろう。これに気付いて初めて,二つの現象が表裏一体であり,極めて合理的なものだったことが理解出来た。
ずっともやもやしていたので,目から鱗が落ちた気分だ。普通の企業にはまず出来ないことだ。快調期がいかに貴重な時期か再認識出来たし,現状認識が鮮明になったことで今後のデライト市場戦略にも良い影響を与えるだろう。
思わぬ収穫に繋がることが多いとはいえ輪郭整備兼一日一文に時間を割き過ぎているような気もするが,いずれにせよ新生デライトの完成は来月に持ち越すしかない時期だ。組計調整を始めることにした。