(じてん)
{辞典語 K#F85E/0758-9320}
宇田川浩行{希哲16年12月14日の日記 K#F85E/E74C-B161}
宇田川浩行ちょっとした用事を片付け,第二次快調期からまともに出来なくなっていた書類整理も少し進め,あとは大輪郭整備や考え事をして過ごした。
考え事での大きな収穫として,文書整備にかかわるデライト用語体系の方針がまとまった。
デライト用語体系に関しては,従来の輪郭法新用語体系を基礎に,初心者向けの分かりやすい代替用語の導入などを検討していたが,これはやめ,基本的に新用語体系をそのまま踏襲し,説明体系を洗練させていくことにした。
例えば,知名を「輪郭名」,知番を「輪郭番号」などと説明することを考えていたが,元々技術としての固有性・独立性が高い知番に関しては早々に断念していた。「輪郭名」などを補助的に導入するかどうかで最後まで迷っていたのが知名だった。この問題を考える上で,「知名」という用語の妥当性についても再考する必要があった。
「知名」の必然性について直感的な確信はあったものの,言語化が意外と難しかった。それを象徴するかのように,いつからか,輪郭「知名」の選り手は開きっぱなしで,再描出下書き抜控一覧を実装した頃から常に表示されている唯一の輪郭になっている。
知名は単なる「記事名」でも「題名」でもなく,森羅万象に付けることが出来る認知上の名前であり,その性質は既成語では表現出来ない。更に,「輪郭の名前」として輪郭に従属するものではなく,あくまでも「知の名前」として理解される必要がある。そうでなければ,そもそも輪郭が何を目的として何を扱っているのか分からなくなってしまうし,自己目的化しかねない。ここに知名という用語の必然性がある。輪郭とは,知の名前と知の番号を鍵に知そのものを具現化するものだ。
この方向で説明体系を洗練させていけば,代替用語は複雑化を招くだけのものになる。「急がば回れ」で,多少時間はかかってもデライトを正しく理解出来る説明をしていくべきだろう。この点において,特に「輪郭」「知名」「知番」「描写」といった基礎用語には動かしがたい“正しさ”があり,それは十分わかりやすく説明出来る。ようやくその確信が持てた。
{希哲16年11月26日の日記 K#F85E/E74C-F094}
宇田川浩行最近の献典整備についての意識の高まりで,デルン開発の初心を取り戻しつつある。
元々,閃きの頃から想定していたのは,あらゆる情報が縦横無尽に輪結された辞典や百科事典,諸分野の大全のようなものを作ることだった。希哲館事業発足時も,『勘報累新大全』を中心に,多くの人にとって有益な情報源を作ろうとしていた。
ところが次第に,客観的情報価値から主観的情報価値に重点が移っていった。それだけの知的な足場固めが必要だったということなのだろう。それもいったん行くところまで行き,ようやく,本来やりたかったことに目を向けられるようになった。
誰もが主観的情報価値を追求出来るようにしたのがデライトとも言えるが,それだけでは間口が狭過ぎる,ということはこれまでの市場活動で学んだ。これからは主観的情報価値を客観的情報価値に繋げる仕事が重要になる。
Twitter アカウントの削除を実行し,非常にすっきりした。また一段と身軽になった感じだ。結果的にあれが最後のツイストとなった。
ほとんど使っていなかった @KTK_bod の削除にあたって,ツイスト以前の色々なことも思い出した。ウェブ独立宣言やシンツイートのことなどすっかり忘れていた。
{希哲15年7月9日16歩 K#F85E/E74C-0200}
宇田川浩行「編集用注釈を入れる」をざっとまとめて終了。
非技術者向けに「コメント」という概念をどう説明するか悩んだ結果,「編集用注釈」略して「編注」という翻訳語を暫定的に採用することにした。「コメント」は簡易マークアップ言語の用語としては紛らわしい場合が多々ある。
「込め言」の応用で「込め注」を採用しかけたが,見出しを見ただけでは意味が分かりにくく,結局「編集用注釈」と説明せざるをえない,というところで断念した。
「編注」は辞典にこそ見当たらないが一般に「編集者注」の意で使われている。見せるか見せないかの差はあるものの,その一種とは言えるので理解はしやすいかもしれない。
裏注,隠し注,覚え注,備忘注……などいくつか他の翻訳語も考えたが,まだ決め手に欠ける。