knumber(k-number), kno.
変遷
情報機番号(IN: Information Number),情報機系番号(ISN: informer system number),知機万象番号(KEN: knower everything number)を経て,最終的に「知番」(knumber)となった。
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情報機番号(IN: Information Number),情報機系番号(ISN: informer system number),知機万象番号(KEN: knower everything number)を経て,最終的に「知番」(knumber)となった。
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}{新生デライトとは何か}{知番依存}{希哲16年7月21日12歩}{希哲16年7月16日5歩}{複数の知番}...デライトも公開から2年半ほど経ち,色々な人が興味を持ってくれたり,使ってみてくれたりした。遠くから眺めているだけの人,登録してみただけの人,たまに使う人,いつも使っている人……風変わりなデライトでも,出会った人の多様性は他のサービスとさして変わらない。
私は,そんな全ての“デライター”とデライターの卵達に深く感謝している。付き合いの長さも深さも関係ない。デライトに否定的な人ですら,知ってくれただけでありがたいと思う。
これがよくある社交辞令ではないということは,前回の一日一文,「デライトの歩み」を読めば分かるだろう。そもそも全く無謀な挑戦として始まったのがデライトだ。成功どころか,誰にも認められず終わるかもしれない。それならまだいい。弾圧や暗殺で命を失うかもしれない。10代の内にそこまで想像して葛藤を乗り越え,20年かけてここまで来た。
たとえるなら,デライトの歩みとは,真っ暗な巨大洞窟を一人で彷徨うようなものだった。どこかに新しい世界につながる出口がある。生きている内に辿り着けるかどうかは分からない。そんな洞窟を歩き続けていた時に見えた光,聞こえた人の声。それが私にとってのデライト利用者であり,デライトへの声だ。
そして今,デライトは「完全な成功」一歩手前と言えるところまで来ている。すでに夢のようなことだ。感謝せずにいられるだろうか。
デライトが利用者達とどういう関係を築いてきたか,その具体例として,B̅ さん,t_w
さん,cat
さんを紹介したい。
デライトを公開した2020年から毎日のように使い続け,様々な形で貢献してくれた3名だ。開発上の都合で宣伝活動を抑制せざるをえなかった1年あまりの期間,デライトを日常的に使っているのが私とこの3名だけということもあった。
B̅ さんは,私の次に早くデライトを使い始めた,2人目のデライターだ。
「デライトの歩み」でも触れたように,デライトは2020年2月に「名目リリース」したあと,8月の「実質リリース」まで,ほとんど宣伝せず改良を続ける期間にあった。細かいことを気にしていたら埒が明かない,と公開してみたものの,やはり他人に勧められる出来ではなかった。B̅ さんが現れたのはそんな時期だった。それも,名目リリースの翌月だから,デライトが特にひどかった時期だ。
テスト程度の投稿はちらほらあったが,ある日,明らかに異質な投稿があることに気付いた。「希哲館訳語」に関する内容で,デライトの背景にある希哲館事業についても一定の理解があることが窺えた。しかし,当初は嬉しさよりも戸惑いの方が大きかった。
分かりにくいとよく言われる今のデライトとも比べ物にならないほど,当時は色々な意味でひどかった。
分かりやすいボタンの類はほとんどなく,ダブルクリックで編集欄を開いたり送信したりしていたので,一見して操作方法が分からなかった。デラング(デライト用の軽量マークアップ言語)には最低限の記法しかなかった。遅くて不安定だった上に,エラーやページ移動で入力途中の内容があっさり消えた。いわゆるページャーというものもなく,検索結果の輪郭も引き入れ関係にある輪郭も,最新10輪までしか表示出来なかった。アイコンどころか名前すら設定出来なかったので,自分と他人の区別は内容と知番の利用者番号でしていた。呼び方も当時の利用者番号で「K#9-D657 さん」だった。
設計意図を理解している者が辛うじて使える程度の出来だ。折角興味を持ってくれた人が悩みながら使っているのは見るに忍びなかった。それでも B̅ さんは,開発者が不思議に思うほど,粘り強く使い続け,理解しようとしてくれた。積極的な不具合報告や提案で,開発にも多大な協力をしてくれた。
納豆やウニみたいなものを最初に食べた人は凄いとよく言うが,B̅ さんに抱いている私の印象はそれに近い。普段の投稿でも,分野を問わず耳新しい情報をたくさん集めてきてくれる。知的好奇心の権化のような存在だ。
t_w さんは,B̅ さんが使い始めた何ヶ月か後に現れた。それでも実質リリースの前だから,出来のひどさは大して変わらない。
B̅ さん同様,開発にも様々な形で貢献してくれたが,驚いたのはその行動力だ。色々なことを考え付いてはすぐに実行する。デライトを利用した外部サービスやブラウザ拡張を初めて作ってくれたのも,外部サイトで紹介記事を初めて書いてくれたのも t_w さんだった。ついこの前そんなことをやりたいと言っていたな,と思ったらもうやっている。これはなかなか出来ることではない。
デライターとして外向きの活動は私以上に,誰よりもしているし,デライト内でも私に次いで投稿量が多い。その実験精神と行動力でデライトの使い方を大きく拡張してくれた。
実質リリース後,二度目の宣伝攻勢をかけていた2020年12月に cat さんが現れた。
cat さんも先の2名に負けず劣らず活発にデライトを利用し,開発に貢献してくれている人だが,遊びのような内容の投稿が比較的目立つ。最初は,冷やかしか荒らしかと思ったくらいだ。
それが,だんだんこの人の機械的ではない賢さ,「気が付く力」とでもいうべきものに敬意を抱くようになった。状況や場の空気をよく読んでいるな,と思うことが多いし,不具合報告にせよ提案にせよ,普通は気付かないようなことを的確に指摘してくれることも多い。堅く難解に見えがちなデライトの雰囲気を和らげてくれていたのだと,見ている内に気付いた。いわゆる「EQ」という概念にはあまりピンと来ていなかったが,こういう人のためにあるのかもしれない。
こういうサービスを公開して運営するのは私にとって初めての経験だった。サービスとして風変わり過ぎることもあり,最初は利用者に対して色々な不安があった。
例えば,偏屈な人ばかり集まって近寄り難い場所になるんじゃないかとか,反対に,広く浅く集め過ぎてつまらない場所になるんじゃないかとか,問題を起こす利用者が多くなったらどうするとか,色々なことを考えた。ありがたいことに,全て杞憂だった。
デライター達はそれぞれに良い意味で変わった部分を持っている人が多いが,今のところ,悪い意味で非常識な人はおらず,朗らかで良識ある人ばかりだ。問題という問題も起きていない。それでいてみんな,どこの誰が作ったのかも分からないこんなものを使おうとするくらい,旺盛な知的好奇心と柔軟性がある。リテラシーも高い。知識や技術は後から付いてくればいいものだが,すでに高度なものを持っている人も多い。
この開発者には出来過ぎた利用者達だ。こんな人達が中心にいてくれるなら,デライトの未来は明るいと思える。
こんな文章を書いているのは,デライター達に感謝の気持ちを伝えたかったのと同時に,間違った遠慮をなくしたかったからだ。デライターはまだ少ないので,どうしても開発者や古参に遠慮してしまう人が多いだろう。もちろん,それはデライトにとって望ましいことではない。
デライトが真に知的探究の場として機能し続け,発展し続けるために必要なこととして,平等であることと開放的であることを私は最重要視している。
黒いものでも白と言わなければならない誰かがいるとしたら,そこは知的に自由な場とは言えない。誰でも自由に参加して,誰にも気兼ねなく活動出来る場であり続けなければならないと強く思っている。
だから,デライトに“偉い人”は一人もいない。古参も開発者も,王も神も,デライトでは一人のデライターに過ぎない。そしてデライトの上にはいかなる権威もない。私は,そういう場を世界に広げるために,あらゆる困難と闘う覚悟をしてここまで来ている。
このデライトをこれから盛り上げていくのは,他でもない,全ての等しく尊いデライター達なのだ。
最近,デライトでは「新生デライト」という表現を多用している。簡単に言えば,使いやすく生まれ変わったデライトのことだ。
「デライトの使い方の考え方」や「“知能増幅メモサービス”はなぜいま最も重要なのか」でも書いたように,前例のない目的を持ったデライトには,どうしても特有の難しさがある。
それでも,システムの実用化から10年以上,サービス公開から2年以上経ち,その有用性は十分に実証されている。多くの人が様々なメモツールやブログ,SNS などを行ったり来たりしながらやってきた情報蓄積・発信を,私は10年以上前からほとんどこのシステムだけで実現している。サービス公開後は,デライトでしか出来ないことを見出して使い続けてくれる利用者もいる。
“使える人には使える”ことは分かっている。残る問題は,使える人の少なさだ。そこでいま,多くの人が親しめる快適なサービスにするため,文書整備や機能整備,高速化,そして独自の軽量マークアップ言語「デラング」の整備といった包括的な改良構想を推し進めている。その完成形を「新生デライト」と呼ぶ。
機能整備という点では,すでに使いこなしている利用者にとっての利便性向上はもちろん,他のメモツールなどに慣れ親しんだ初心者が戸惑いがちな機能不足を補うことを意識している。
例えば,輪郭を非公開に近い「未公開状態」に出来る公開設定機能,編集中にリンクしたい輪郭を検索出来る機能,全文検索機能,検索語提案(サジェスト)機能,ファイル添付機能,輪郭を削除する機能,自動ページ展開機能,インポート・エクスポート機能,高度なアカウント管理機能などの追加を予定している。
これまでにない密度で人の頭の中を保存するようなサービスの性質上,いわゆる非公開機能の導入は特に難しい問題だった。Apple や Google のような世界最大級の企業でも個人情報流出事件を起こしているわけで,一事業者が安全性を保証することは不可能と考えている。これに関しては,他の利用者からの閲覧を緩やかに制限する「未公開状態」の導入と,知番をファイル名として利用したローカルでのファイル管理手法を広めることで解決したい。
質問・要望も常に受け付けているので,“世界を変える”新生デライト開発にどんどん参加してほしい。
rdr
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