{希哲15年3月27日の日記 K#F85E/E74C-BF38}
宇田川浩行数日前から何となく鎌倉の物件探しを再開したところ,そのまま希哲館「仮本館」に使えそうな貸家を見つけた。これをきっかけに,希哲館事業構想について色々なことを考え込んでしまった。
希哲館は本来,建築構想でもある。あらゆるものが仮想化されつつある世界にあって,最も強い現実として事業の理想を具現化したいという思いが「希哲館」という命名には込められていた。
希哲館事業発足から間もなく鎌倉を本拠地にすることを決め,鎌倉文学館やモン・サン=ミシェル等を模体に,日本建築とギリシャ建築を融合した独自の建築様式を構想していた。木立に囲まれた山の上に大きな庭園と小さな屋敷があり,その下には巨大な地下施設が広がっている……それが希哲館本館,希哲社本社の理想像だ。それは一つの建築から都市になり国家になり,やがて世界になるはずだった。
しかし,そんな理想を現実のものとするには少なくとも数百億円の資金が要る。実現の見通しも無く,「希哲館」は常に仮想空間だった。その仮想の館の仮想の庭がつまり「月庭」だ。
例の物件は,長年思い描いていた希哲館本館と執務長公邸の中間に近い規模,雰囲気は想像通りという感じで,少し運命的なものを感じた。この物件が実際に使えるかどうかはともかく,理想にこだわらなければ「希哲館仮本館」が出来るのは意外とすぐかもしれない,と思えた。
そう思ってみると,デライトの背景でもある「希哲館」という概念は今のところ他人には雑音でしかない,ということが目の上のたんこぶのように気になってくる。私の頭の中にだけある理想像としての希哲館は,ほとんど誰にも伝わっていないだろう。仮にでも現実の形にすれば,この状況は大きく変わりそうだ。
そしてもう一つ,持ち辺に新たな燃料が注ぎ込まれたようにも感じた。完璧主義・理想主義にとらわれて手をのばす気すら失せていたことが,何かのきっかけで割り切れるようになり,結果的には満足出来た,ということが最近よくある。Dex が好例だが,これもその一つになるかもしれない。そう思えば頑張って手をのばしてみるしかない。
{希哲14年7月22日の開発 K#F85E/5B28-16A8}
宇田川浩行自輪郭のための右吹き描き代替案を模索したことで吹き描きの輪郭線の重要性に気付き,「中景線」「後景線」,あわせて「中後景線」という名前を与え,色彩調整などを行なった。
前後景一覧について考えていくうちに,検索窓が増えることもあって自輪郭検索(自我検索)切り替えに使う用合いも従前案(未実装)のチェックボックス方式に代わるものが欲しくなってきた。何かあるような気がして考え出したら止まらなくなり,結局,下図のようなアンパサンド方式を考案,採用を決めた(6歩)。
また,前景部・後景部に表示する検索窓には小さい自我アイコンを表示することを検討し始めた(現状は大きい方)。
デライトの ActivityPub 対応について前日再考したこともあり,デライトの PWA 対応についても再考。こちらも,現時点で急いでも諸場でアイコンに出来るくらいの利点しかないため,KNEST と Aejs の整備を進めて十分に活用出来るという時に対応することにした。
寝る前に,デライトの扉から全輪郭検索への飛び方が分かりにくいという問題について考え始めた。現状,検索窓の代置語に「なんでも」とは書いてあるが,これが全輪郭検索を表していることに気付く人は少ないだろう。初めてデライトに訪れた人がもう少し雰囲気を掴みやすいようにしたいとは以前から思っていたが,よくある「のぞいてみよう」のような直接的表現も無粋な気がしていた。
ここで,以前から月庭のように総描出輪数を表示する案があったことを思い出し,これと機能を兼ねられそうなことに気付いた。例えば,月庭風に「〜輪の知識を育てています」という文があり,「〜輪の知識」が輪結になっていれば分かりやすい。
ただ,月庭風ではデライトにはちょっと堅いので,別の表現を考えたかった。すでに語体下に表示されている獲句「デライトは、なんでも記憶できる魔法のメモ帳です。」との相性も考える必要がある。「〜輪の記憶が咲いています」「〜輪の記憶が育てられています」といった表現も,ガーデニングを想起出来て良い気がしたが,メモ帳なのか庭なのか比喩がごちゃごちゃしてしまう。ここは単純に,「〜輪の記憶が描き出されています」としておくことにした。