デライトの新規利用者を増やすにはどうすればいいか,と考えてくれている利用者達もあまり触れないことに,私自身のアカウントの問題がある。デライト普及にとって最大の障害は何か,といえば,あまりに癖の強い私の輪郭で溢れかえっていること,というのが開発者として常に感じていることだ。自分が訪問者でも入りにくいな,と思う。
実際,最初の頃は,自分の輪郭を目立たせないように,宣伝活動をした後しばらく描き出しを避けるなんてことまでしていた。それはそれで使いこなし方が分かりにくくなるので,あまり作為的なことはしないようになった。だから,初期利用者が入ってきた時は,世の中には変わった人がいるものだな,としみじみ思ったものだ。そうは思いつつ,私も私で失礼な気がして言いにくかった。
利用者達が活発に描き出ししてくれるようになったおかげで,だいぶ入りやすい雰囲気になったとは思う。それでも,客観的に見れば,まだ「変わった人達の集まり」なのかもしれないし,コミュニティとしてのデライトに“参加しにくさ”を感じている人は多いだろう。
デライトは,極力,誰でも好きな時に来て,好きなことを好きなだけ書けるように設計している。もちろん挨拶の必要もないし,他人に遠慮する必要もない。個人情報どころか,名前すらいらない。私自身,狭苦しい「クラスタ」だとか閉じたコミュニティが昔から嫌いだ。
あまり先入観を持たず,まずは触ってみてほしい,というのが開発者としての願いではあるが,もしデライトにコミュニティとしての特徴があるとすれば,自由に知的好奇心・探究心を満たしたい人達の集まりとは言えるかもしれない。「希哲」という言葉をよく使っているように,知的探究心以外のなにものにも囚われたくない人間にとって,機能的にもデライトは最高の場所だ。