simple markup language

{あれK#C7C6/4D8B}

{Re: デライト記法の構想期間について K#C7C6/EB16}
デライトの記法(デラング記法)は、デルンの実用化に成功した2012年当初から少しずつ増やしてきたものです。デライトが開発の中心になってから「デラング」と呼び始めましたが、それ以前は「DIL」と呼んでいました。
デルンの実用化まで、開発者はまさに Org-mode を使っていましたし、簡易マークアップ言語もいくつか注目されていたので、それ自体は自然の流れだったような気がします。
2012年から最初の数年でルビ記法や「飛ばし括弧」と呼んでいた小書き括弧記法など実験的な記法も追加しましたが、単純な正規表現を並べただけの実装だったため保守が難しくなり、既存の構文解析・字句解析手法も帯に短し襷に長しで、長いこと停滞していました。
それが今年、Dex というデラング専用の解析エンジンの開発に成功してから急速に充実するようになりました。
そもそもの構想はもっと複雑巨大なものでした。
デルンという「意味を書ける」全く新しい媒体は、新しい日本語の実験と普及活動に最適だと考えた開発者は、日本語を基礎として、「綜語」という「あらゆる自然言語・人工言語の利点を綜合した言語」を構想していました。今でいうデラング記法も、新しい日本語の「約物」として言語体系に組み込もうとしていました。
希哲館訳語もその一環でした。ウィキと違い名前によらずページを管理・参照出来るというのは、膨大な実験的語彙を扱う上で必須の機能でもありました。
デラングの前身となる DIL は、輪郭法を応用したコンピューター言語として、この「新しい日本語」を側面から支援するように構想し始めたもので、当初はプログラミング言語としての機能も兼ねた「綜合コンピューター言語」のようなものでした。
こんな感じで、当初のデラング記法は良くいえば壮大、悪くいえば漠然とした構想の一部でした。それを少しずつ具体的に、現実的にまとめていった結果が現在の形です。

{希哲15年7月9日16歩 K#F85E/E74C-0200}
「編集用注釈を入れる」をざっとまとめて終了。
非技術者向けに「コメント」という概念をどう説明するか悩んだ結果,「編集用注釈」略して「編注」という翻訳語を暫定的に採用することにした。「コメント」は簡易マークアップ言語の用語としては紛らわしい場合が多々ある。
「込め言」の応用で「込め注」を採用しかけたが,見出しを見ただけでは意味が分かりにくく,結局「編集用注釈」と説明せざるをえない,というところで断念した。
「編注」は辞典にこそ見当たらないが一般に「編集者注」の意で使われている。見せるか見せないかの差はあるものの,その一種とは言えるので理解はしやすいかもしれない。
裏注,隠し注,覚え注,備忘注……などいくつか他の翻訳語も考えたが,まだ決め手に欠ける。

{希哲15年6月26日の開発 K#F85E/E74C-F080}
デラング文書の導入
軽量マークアップ言語に関する予備知識の無い入門者にもその意義を伝えつつ,デラングの特徴を表現する難しさがあった。
ここで「軽量マークアップ言語」という翻訳語の限界を感じ「簡易マークアップ言語」を使うことにした。
前日に思いついた時は,独自用語のようになるとかえって理解が難しくなるかもしれないと思ったが,英語版 Wikipedia では〈simple markup language〉が〈lightweight markup language〉の同義語として掲げられていることもあり,こちらの翻訳語として採用することにした。
閲覧専用模動と多重輪括弧
寝る前になって閲覧専用模動についての考えが急速にまとまった。
各輪郭を,閲覧専用に余計な装飾・機能無し(輪郭であることを意識せずに読めるような形)で表示出来るようにする。デライト文書のために考え始めたが,広く有用なものなりそうなので汎用的な設計にしておく。
(「公式模動」や「正装模動」という名前も考えたが,翌日のまとめ時点で,平たく「閲覧専用模動」とした)
いまデラング文書を K#F85E の描出として書いているが,これをどう公式文書として見せるかという課題があった。
kind() の技法で描写を埋め込むこと自体は簡単だが,輪符の扱いが面倒だった。
ここで,デルン最初期の構想が蘇ってきた。もともと,デルンでは通常の輪括弧と二重輪括弧で輪符の目立たせ方を変え,ズームするようにボタンで表示水準を切り替えられるようにする,という機能の構想があった。アイコンには {} や {{}} といった記号を使うことを考えていた。
この考え方が閲覧専用模動にそのまま使えた。この時のために取っておいた二重輪括弧をようやく使える。閲覧専用模動では,通常の輪符は無視し,強調輪符と多重輪括弧のみを輪結にする。
最近,輪符の輪括弧を表示させる記法として二重輪括弧を使おうかと考えていたが,全知検索では二重輪括弧を括弧付きで表示する。閲覧専用模動でも括弧付きで表示したい場合のために三重輪括弧も使えるようにし,これを「多重輪括弧」と呼ぶことにした。
さらに,輪結先も閲覧専用模動にしたい自我を指定出来るようにしたり,特定知番を別 URL に変換出来るような仕組みがあれば,任意の自我で描いた輪郭を違和感なく公式文書にすることが出来る。
全知検索から閲覧専用模動への移行は,各輪郭中景部の丸みのある部分に三角形のアイコンで輪結を置くのが分かりやすそうだ。
これで K#F85E で心配せずデライト文書を書き進められる。
