輪郭小窓実装。出振るいを目指したものの,細かい見触れの調整で終了。手触りはだいぶ良くなった。
昨日の装体案では三景を重ねるように領当てしたが,これだと前景・後景の位置関係が分かりにくくなることに気付いた。かといって逆にすると構造的に不自然になってしまう。重ねないように修正してみるとすっきりした感じになったのでこれを採用することにした。
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}{増えて}{不統一感}{小窓装体}{公開設定小窓の様子・装体調整後}{公開設定小窓の様子・装体調整前}...やはり,デライトに良い波が来ているようだ。7月中に得られればと思っていた手応えがここで来た感じだ。新生デライトの完成後の長期戦も覚悟していたが,短期決戦の可能性が急浮上してきた。
嬉しい誤算ながら,非常に難しい状況でもある。まだ油断は出来ない。力み過ぎて空回りしてもいけない。攻め時も逃がしてはいけない。この状況をどう整理すべきか,ということにだいぶ脳の利素が奪われている。ここ数日の脳疲労感の原因がようやく掴めた。
この波に気付いた当初は,デライト高速化の一段落までもう少しなのに嫌なタイミングだなと思っていたが,よく考えるとギリギリで間に合うところに来ているわけで,奇跡的ですらある。直感で入った第二次知番改良がなければここまで KNEST 隠し実装も進んでいない。一体どこから来た直感なのか怖いほど上手く当て過ぎている。
何はともあれ,デライトの完全な成功は夢ではないし,決して遠くもないという確信を得られたことは喜ばしい。
とりあえず,次回出振るいまではデライト宣伝を控え,KNEST 隠し実装を急ぐことにした。
そろそろ第四次宣伝攻勢・新生デライト開発の中間まとめをすべき時期であるため,振り返りと現状整理をした。昨日やろうと思いつつ,開発に熱中したり姪達の世話に追われたりして出来なかった。
ある程度考えはまとめたが,珍しく早い時間に眠たくなってきた。早寝は最近の課題なので,この日記は明日書くことにして早く寝た。
第四次宣伝攻勢は最初から事前想定と少し異なる展開を見せたものの,概ね状況は良好であると言っていい。特に5月前半,一日一文に時間をかけたのが予定外だった。後半から開発時間を増やして,そちらも想定外に発展していき,直接的な宣伝活動にはそこまで多くの時間を割いていない。
当初,朝昼晩1時間ずつ宣伝活動に割くことを想定していたが,昼晩30分ずつという日が多く,これで丁度良い気もしている。高速化と歩調を合わせる必要があることに加えて,一日一文などでこれまでにない好感触を得ている。今は,無闇に人をかき集めるより,デライトにとっての理解者をじっくり増やしていく時期なのだろう。
それは「宣伝攻勢」なのかという気がしないでもないものの,その程度のこともしない時期が長かったから意義もなくはない。
用者動向は水物なので,努めて一喜一憂しないようにしているが,最近のデライトでは明らかに良い変化が起こっている。比較的深いところまで知ってくれる人が増えたし,常連用者の使い方も変わっている。これまで,開発者が何を考えているのか分からないままみんな手探りで使っているという感じだったが,ある程度デライトの根想を踏まえた上で使ってくれるようになった。良い意味で方向感が出てきて,初心者にとっても良い見本になる。
一方,初期のデライト宣伝で感じていた,「面白そう」止まりの表面的な反応は減っている。「面白そうだけど使わないよ」というダーウィンの海は乗り越えつつあるように感じる。
なかなか出来なかった振り返りをしながら,「回り道」についてよく考えた。
開発では3月に中断していた中間的デラング整備に戻ったが,ここで以前とは比べ物にならないほど手定め効率が向上していることに気付いた。Aejs 整備から下見機能付きの新輪郭選り手出来たからだ。これが当時 Aejs 整備を終わらせたかった理由だったことを思い出した。
そろそろ一日一文も続きを書くか,と思えば,文章の閲覧性が飛躍的に向上している。5月後半,一日一文を中断して,最大化アイコンや描写拡縮ボタンの追加,自動ページ展開機能実装を一気に進めたからだ。これは,「デライトの歩み」という題材があまりに重かったというのもあるが,文章を読む媒体として閲覧性に課題を感じていたことも大きい。写真上信を始めた頃に感じていたことでもあった。せっかく良い写真が撮れたり良い文章が書けたりしても見にくいのではもったいない。
こう思うと,的確過ぎる回り道に自分でも驚く。デライト開発が快調を維持してこれたのは,こういう良い回り道を重ねてきたからだと改めて実感する。見えている出口に向かって,時間があるだけいくらでも改善出来る柔品は珍しい。大抵は技術的負債に潰されてしまう。良い回り道が出来ないからだ。
回り道をする以前の当努に戻るまでそれを忘れていたから余計驚く。特に第四次宣伝攻勢以後,軍隊の行進のようにひたすら前進を意識してきたため,振り返る余裕がなかった。
デライトの進歩は冷静に見ると驚異的に速い。ここ2ヶ月だけでも見違えるほど進歩した。ただ,逆茹でガエル状態というか,進歩しているのがデライトの日常になっているせいで,たまに振り返ってみないとその速さが分からなくなる。振り返りの重要性を再認識したので,また旬毎に振り返りの時間を持つことにした。
輪郭ページと知名選り手以外の知番輪結に最大化アイコンを追加していったん終了。小さい変化だが効果は大きいだろう。
中景輪符の知名輪結・知番輪結の役割は動かしようがない。旧デルン実装では,知名輪結で輪郭ページに飛び,再検索用に ? の輪結を置いていたが,再検索は多用するので直感的な方がいい。輪符における知名と知番の役割から考えても,単純性を保ちつつ整合性を取るとこの形になってしまう。問題点として,初心者にはそれぞれの役割が分かりにくかった。
他方,高さ固定を解除する方法が分かりにくいという問題もあった。最近,最大化アイコンを使った輪結をどこかに置くことを考えていたが,知番輪結と同じ機能を別の輪結に持たせると混乱を招く。結局,知番輪結が固定輪結であり特定の輪郭に注目する機能を兼ねている,ということを自然に学べる用合いが望ましい。ということで知番輪結の一部であることが分かるようにした。
これによって,知番輪結の機能が分かりやすくなり,知名輪結との機能の違いも発見しやすくなるだろう。
最近の一日一文で,読者が高さ固定を解除する方法に気付きにくいという問題が尚更気になっていた。動的に解除する手段も考えているが,これはこれで先々でも使えるだろう。
第零番節の省略,自我知番の省略が可能になることで知番が目立たなくなるが,これで丁度良い感じになりそうだ。3月31日の開発で輪郭ページと前後景検索ページの外観が変わらなくなったため,新しい目印としても丁度良い。
人工知能,仮想通貨・暗号通貨,仮想現実・仮想世界……等々,様々な分野が世界的な注目を集める中,これらを凌ぐ潜在力があるにもかかわらず,まともに語っているのは私だけなのではないか,と思えてしまう分野がある。それが「知能増幅」(IA: intelligence amplification)だ。
知能増幅というのは,文字通り,工学的に人間の知能を増幅させることを指す。古くからある研究分野だが,人工知能などに比べてその話題性は著しく乏しい(参考)。この言葉に「人体改造」に近い響きを感じる人は多いだろう。実際,脳にチップを埋め込む,遺伝子を書き換えるといった人体改造的な研究がこれまでの主流で,まず倫理的課題が大きかった。倫理的課題が大きければ技術的課題を解消するための実験などもしにくく,実用段階にある技術が存在しなかった。デライトが登場するまでは,古典的な SF の域を出ず,語れることも大して無かったわけだ。
先日の「デライトの使い方の考え方」で少し触れたように,デライトは,その知能増幅を誰でも簡単に触れるメモサービスとして実現した「知能増幅メモサービス」であり,「世界初の実用的な知能増幅技術」だ。どのように実現しているかはあの文章でざっと書いたので,今回は,この知能増幅メモサービスの意義について書いてみようと思う。
私は,ビッグ・テックや GAFAM などと呼ばれる世界最大の企業群(Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft)が合併して「Microappglezonbook」となり,自分がその経営を思うままに出来たらどうするか,という思考実験をすることがある。答えはいつも変わらない。iPhone も Google 検索も Windows も,世界最大の SNS も世界最大の通販サイトも,何もかも売り払って,知能増幅メモサービスの開発に全てをかける。
最近何かと話題のイーロン・マスク氏と入れ替わったとしても,やることは同じだ。テスラも SpaceX も Twitter も,何もかも売り払って知能増幅メモサービスの開発に全てをかける。ちなみに,氏の事業の一つには,まさに脳にチップを埋め込む系の知能増幅技術を扱う「ニューラリンク」があるものの,やはり,他の事業ほど目立った成果もなく,あまり知られていない。
つまるところ,あらゆる分野の中で,「知能増幅」が群を抜いて大きな可能性を持っていると私は考えている。これを多くの人が理解すれば,21世紀は間違いなく「知能増幅の世紀」になるだろう。世界初の実用的な知能増幅技術であるデライトは,その嚆矢だ。
長い前置きに似合わず,知能増幅メモサービスがなぜいま最も重要なのかという本題は,拍子抜けするほど単純明快な話だ。知識が最も価値を持つ時代において,最も価値のある知識は「知識を生み出す知識」であり,最も価値のある技術は「知識を生み出す技術」だからだ。まさにそれを研究開発するのが知能増幅という分野だ。そして,知能増幅メモサービスは,最も実現性の高い,実際にデライトが実現している知能増幅技術なのだ。
例えば,人工知能がいかに発達しようと,それを開発し管理し利用していくのはあくまでも人間だ。人間が愚かなまま機械だけが賢くなっても,人間社会にとってのボトルネックは必ず人間の愚かさになる。知能増幅技術は,人間のあらゆる知的活動を最も根源的な部分から持ち上げる技術であると言える。
……と,この単純明快な話を私がしたのは,昨日今日でもなければ一度や二度でもない。昔から,何度端的に語っても,意図するところが伝わった試しがない。どうもピンと来ていないというのか,大体の反応が「なるほど,で?」という感じだ。理屈はなんとなく理解出来ても,それが意味することの大きさを想像出来ていないのだ。その大きさを先に書いた理由だ。
思えば,この“ピンと来ていない感じ”というのは,「個人知識管理」(PKM: personal knowledge management)として認知されつつある分野に感じるものと似たところがある。その名の通り,個人が自らの知識を効果的に管理することに関してはすでに色々な方法論や技術が集められている。その代表的な手段として「メモ」があり,メモアプリやメモサービスなどと呼ばれるものも盛んに研究・開発されている。
このメモサービスを知能増幅に結び付けたのが「知能増幅メモサービス」というデライトの位置付けだが,これが,私が思っていたより変わった発想だったらしい,とデライトの宣伝を始めてから気付いた。個人知識管理の技術を発展させていけば,それは当然知能増幅に繋がる。この単純な発想が,意外にも共有しにくい。「デライトではこんな新しいことが出来る」と言っても,「なるほど,でも○○で間に合ってるから」という反応を受けることが多かった。そこには,想像していたよりずっと大きな温度差があった。
このあたりの分野をよくよく観察してみると,開発者にせよ愛好家にせよ,そこまで大きなビジョンを持っている人はほとんどいないことが分かる。要は,「生活術」とか「仕事術」とか「ライフハック」の範疇でしかとらえていない。個人知識管理が知能増幅に繋がり,それが世界を変える,なんて大それたことを考えている人間は,全くいないわけではないだろうが異端者だ。
私の立場からは「節穴同然の眼力」としか言えない分野の体たらくだ。「趣味の問題」で済む話でもない。そう思ったとしたら,ここまでの話が理解出来ていないか,想像力があまりにも足りない。ただただ,一人でも多くの人がこの分野の本当の可能性に気付いてくれることを願って,私は叫び続けている。