全知検索を中心とした「究極の好循環」を指して希哲13年7月25日から使い始めた語。
初出は希哲13年7月25日の日記か。希哲13年7月26日のあるツイストでも触れている。
元々は,大理容・新旧全知検索統合中のデルン開発で全知検索を実装作業の中心に据えることで情報発信・情報蓄積・開発の好循環が生まれたことを表現した語だった。ジパング計画の「知の黄金郷」を意識している。
希哲15年4月14日,本格的にデライト高速化に入る前の現状整理について,ここに記録しておく。
2月後半は姪を預っていたこともあり開発に集中しにくかったが,3月の頭からデライト開発はいわば「快調期」に入った。この想定外の快調でそれ以前の計画が良い意味で狂うことが多くなり,3月8日からは計画にとらわれず直感に従って作業を進めていくことにしていた(日記)。
この快調によって,より高い完成度での新生デライトを目指すことが出来るようになり(第三次デライト市場戦略),3月20日,収益目標達成の努力期限を5月1日に延長,28日にはこれを必達期限として,同時に短期集中生活に入った(日記)。短期集中生活は今月10日に終え,やり残した待っ読ボタン実装は昨日一段落した。これが「デライトこれまでのあらすじ」といったところか。
少し落ち着いたところで,次の作業に入る前に現状を整理することにした。収益目標達成期限まで残すところ半月,作業の優先順位を見極める必要があった。短期間にこれだけのことがあると,流石に頭の中も混乱気味だ。もやもやしたものを晴らしておきたかった。
現在のデライト開発の速さと予測不可能性を考えると,やはり中途半端な計画は足枷にしかならない。「黄金循環高速化」としてのデライト高速化を中心に,機能追加,文書整備,宣伝等々,全てを臨機応変に巻き込みながら片付けていく,というのが現状での最適解と結論付けた。
デライトにとって最大の付徴は輪郭法であって,枝葉末節の機能ではない。それを磨き上げ,伝わりやすくする作業でもある。
作業項目としての「デライト高速化」を意識し始めたのは2月17日の開発からだった。当初は機能追加よりも優先し,文書整備と並行させることを考えていた。その後,快調期に入ってから機能追加の優先順位が上がり,特に Dex によるデラング整備を優先するようになっていった。
今月頭の時点での大まかな見通しは,10日までに必要な機能追加,20日までに新生デライトの仕上げ,文書整備を終え,21日から第三次宣伝攻勢を開始,並行してデライト高速化を進める,というものだった(1日の日記)。
ところが,@icl() 周辺整備をきっかけに入った小理腑が,1〜2日という想定よりも長引き(6日間),上旬がほぼ潰れた。更に,これが思わぬ体感表示速度向上に繋がったことで,一気に高速化への持ち辺が高まった。この頃から,どちらかといえば後回しにするつもりだった高速化を最優先にすべきではないか,と考えるようになっていた。待っ読ボタン実装を終えた昨日の時点でほぼ腹が決まっており,最終確認のためにこの現状整理をしているわけだ。この判断は収益目標達成の成否に直結するだろう。
デライト高速化の主な意義としては,用者体験の向上,SEO,負荷軽減の3つを当初から見込んでいた。
小理腑後は,これに開発効率・描出効率の向上という意義が加わった。手定め時間の短縮にもなるし,より描出の質を上げ量を増やすことにも繋がるだろう。頭では分かっていたことだが,速いデライトを体験して実感が出てきた。この「先行体験」をさせてくれた小理腑の影響が大きい。
Dex 以後,デラングを活用することにした文書整備にも寄与することになる。
高速化に並ぶ大きな作業分類であるデラングを含む機能整備(機能追加),文書整備と比べても,やはり高速化が優位だろう。何より,高速化は技術面でも設計面でもデライト向きであり,この中で最も「伸ばせる」ところだ。本領発揮と言ってもいい。
機能追加が訴求するかどうかは当たり外れが大きい。開発者が求めているものと用者が求めているものは異なることが多いが,用者が求めているものと必要としているものも往々にして異なる。要望に応えても,思ったより必要なかったということもある。これは用者が馬鹿だからではない。開発者ですら,思ったより要らなかった,要らないと思っていたが意外と便利だった,ということは多々ある。人間そんなものだ。それでも,十分な時間があれば「数撃ちゃ当たる」で成功確率を高めることは出来るが,今はそうではない。
そもそも,現状デライトの活動用者は極端に少なく,動向を分析する標本にもならない。まずは入り口の手前にいる人達を呼び込む必要がある。そのためには,一部の用者しか使わない高度な機能よりも第一印象が重要であり,これに寄与するのは高速化だ。
また,機能追加には程度の差こそあれ通信や処理上の負荷が伴なう。予定している機能を現状のデライトに全て詰め込めば明らかに重くなるのは目に見えている。
文書整備に関しては,ある程度機能整備が済んだところか,少なくとも機能整備と並行させなければ作業効率上の問題がある。これだけ仕様変更・機能追加が激しい状況でなまじ文書を追随させても修正回数が増えるだけだ。先の理由で機能整備を後回しにするなら文書整備も後回しにするほかない。
現状,「使い方」などの文書は離立補完を最後にほとんど更新しておらず,実装との乖離が激しくなっているが,逆に言えば,無駄な修正作業が省けたということだ。新生デライトが熟れるまで放っておくのも一つの手だろう。
宣伝においても体験を重視するようになる中で,相対的な重要性が低下していたということもある。「良い文書のある悪い体験」よりは「悪い文書しかない良い体験」の方がマシだ。
「黄金循環」は,1月から再認識し,2月までよく言及していたが,3月からは快調期の目まぐるしさで横に置いていた。
振り返ってみると,2月20日の日記で高速化との結合を予期するようなことを書いている。ただ,それほど強く両者の結合を意識していたわけではなく,黄金循環高速化の手段も明確ではなかった。「全知検索の改良」と言っても,基本的な部分で問題の多かった希哲13年頃に比べ,今では範囲が広過ぎる。
快調期以後,計画ではなく直感に従うという戦法で難局を上手く切り抜けてきたが,「次の作業」を意識するようになった短期集中生活終盤あたりから,作業の軸になるものが欠けていると感じていた。
ここで高速化と黄金循環が結合してその軸として機能し始めるのだから,劇的な展開と言うほかない。ここまでの経験が全て一つに繋がったことになる。
今日は数歩程度の進捗時限を使いデライト高速化前の現状整理をしてから作業に入ろうと思っていたが,結局,現状整理に丸一日かかった。
ここでの舵取りが収益目標達成に直結することは間違いないため,等閑には出来なかった。「デライト高速化前の現状整理」にモヤモヤしていたことを大体書き出してみれば,振り返る余裕も無かったここ2ヶ月ほどのまとめになっていた。これだけ複雑なことを考えていればモヤモヤもするはずだ。
時間をかけた甲斐あって,霧が晴れたように視界がはっきりしてきた。迷いなく収益目標達成に邁進出来そうだ。これが丸一日で済んだと思えば安上がりだった。
当面,「黄金循環高速化」としてのデライト高速化を中心に臨機応変に作業を進めていくことにした。理屈はそこに書いた通りだが,簡単に言ってしまえば,この方針によってデライトの成功がずっと想像しやすくなった,ということだ。
新生デライトの機能や文書を仕上げてから第三次宣伝攻勢に入り……というこれまでの目論見では,いくら完成度に自信があっても,それが受け入れられる保証はどこにも無い。全くの空振りに終わる可能性も無くはない。そこに一抹の不安があった。
それに比べて,高速化はサービス改善の施策として外れが無い。何らかの効果は確実に見込め,努力が報われやすい。小理腑によって「速いデライト」の価値を体感出来たことが決め手になった。
高速化そのものは大当たりを狙えるような付徴でもないが,デライトにはすでに輪郭法という最大の付徴がある。すでに注目に値するものをデライトは持っている。あとは,それをいかに良く見せるか,伝わりやすくするかだ。これが今回の整理で得た大きな気付きの一つだった。
もう一つの大きな気付きは,デライト高速化が黄金循環高速化でもある,ということだった。直感任せが悪い意味で無軌道になりつつあると感じていたが,「快調期」に入る前によく考えていた黄金循環がここで軸になるとは思いもしなかった。これによって全てが繋がった感がある。
デルンの実用化以後よく思うことだが,デルン/デライトが無ければ今頃自分の脳はどうなっていたか分からないな,と今日は改めて思った。
私にとってのデライトは,もはや知能増幅装置というより生命維持装置に近いかもしれない。
これだけ書いた後で一日一文を書くのは流石に辛いので,今日は「デライト高速化前の現状整理」を一日一文代わりとしておいた。
気分的に4月1日を一つの節目にしたいと思っていたが,考えてもみれば,世間では年度末で忙しい人が多い時期だ。気持ちにゆとりが無ければデライトのようなものを試せるはずもなく,宣伝攻勢には全く適していなかった。
奇しくも,デライト収益目標達成の努力期限を単純に1ヶ月延期しただけの5月1日はゴールデンウィークの3日目で,開発に集中することにしていた4月中旬までを過ぎれば年度始めの慌しさが落ち着き始める。このことにも気付いていなかった。
4月中旬までに新生デライトを完成させ,下旬までには第三次宣伝攻勢を開始,5月1日までには結果を出す……これが計らずも最適な組計になっていたわけだ。黄金循環から黄金週間へ,というのも出来過ぎている感があるが,まあ持ち辺のために青写真は出来過ぎているくらいで良い。
寝不足気味が続いている上に昨日も目まぐるしい進展があり,若干の気疲れを感じていたため,今日は今週分の休日にした。状況もよく整理出来たので,ここでいったん呼吸を整えたい。
GSC で見る限り,月庭(https://kitetu.com)の検索流入はほぼデライトに移行したと見て良さそうだ。
昨年10月頃までゆるやかに右肩上がりを続けていた月庭の検索パフォーマンスは,11月10日の開発で実施したデライトへの 302 転送からゆるやかな右肩下がりに転換,今年に入ってからデライトも明確な上昇を始め,特に2月は検索演心教育の強化も加わり暴騰状態にあった。これは黄金循環の意識が高まった一因でもあった。
今月で表示回数・クリック数ともにデライトは月庭のピークを越え,入れ替わるように月庭の方はゼロに近付いている。
月庭・デライト転送が上手くいくかどうかは半信半疑だったが,細かい要因はともかく,全体として検索パフォーマンスが上がっていれば問題ない。
残りの半休を使い,昨日激しく動かした身体を休めた。しかし,顔はよく引き締まって見え,最近たるんでいたことを強く実感した。
一昨日の日記に書きたかったことだが,デライト文書整備においても宣伝においても,言語表現にとらわれず,「体験第一」を軸に考えることが重要だという思いを日毎強くしている。体験に誘導し,体験を邪魔せず,出来れば体験を補助するように設計していく必要がある。
それを反映してか,最近は自然と SEO に関心が向いている。高速化同様,SEO においてもデライトの潜在力は極めて大きい。これまでにない量・密度で情報を関連付けるデライトの設計には,枝葉末節の対策よりもはるかに大きな SEO 上の価値がある。体験への誘導手段として,これを活かさない手はない。
やはり,用者体験の向上と SEO の一石二鳥という点でも,文書構造最適化の次は高速化に着手するべきなのだろう。
収益目標達成は,このまま黄金循環を加速させ続けて押し切るしかなさそうだが,それだけで十分達成が見込めるということでもある。
今日は仕事でもない中途半端な用事で出掛ける必要があり,疲労の蓄積(特に脳疲労)も気になっていたため早めの休日にした。
早朝は雨だったようだが,出掛ける頃にはよく晴れて気持ちの良い天気だった。デライトの春,希哲館の春を予感させる陽気の中をぶらぶら歩き,散髪もして,非常に良い気分転換が出来た。
ぶらぶらしながら,希哲館事業の原点である「閃き」についてよく考えた。あの体験がなぜ輪郭法を生み出したのか,いまだに上手く言語化出来ていない。
閃きの瞬間,射雨が身体を伝わり,排水溝に流れていくのをじっと見つめていた時の感覚はいまでもよく憶えている。その直前,概念の塊が頭の周りに浮かんでいるような感覚もあった。これはデルンの用合いの原型になっている。
いま思えば,水が道を作って川となるように,絶え間なく続く流動が,静的な観念に通り道を作ったのかもしれない。それが脳内の信号の流れにも一致すれば輪郭法が出来るわけだ。
そこから瞬く間に「相通化技術」を中心とした希哲館事業の青写真が出来た。「流」は仏教的な「空」とプラグマティズムその他諸々を綜合したような概念となり,東西思想の統合を予期させた。人生観も世界観も,全てが一変した。
そんなことを考えていると,いま言う黄金循環すらあの時に見た排水溝が作る渦のように思えてくる。
実益から最も遠く,休日でもなければそう出来ない,しかし極めて意義深い考え事だった。デライトの成功,希哲館事業の成功も目前という時期だから尚更だ。
最近,黄金循環によって描出宣伝に期待出来るようになったことで描出思考が増え,自然と暗黙宣伝やツイスト宣伝が減っている。ちょうどいい節目なので,昨年10月20日から始まった第二次宣伝攻勢はここでいったん終了とし,2月中に新生デライトとしての体裁を整えてから第三次宣伝攻勢を始めることにした。
宣伝停止までする必要はないが,第三次宣伝攻勢まで Twitter を絡めたデライト宣伝は適宜,不定期でいいとして,当面は開発と文書整備に集中する。
一昨年よく使っていた「デライト仮公開」や「デライト再公開」という用語について整理するため日記や開発記録を読み返していると,当時の思考と感情が驚くほど鮮明に蘇ってきた。「発明疲れ」と言うほどのアイデアの爆発,デルン三大整理……一日であの一年を再体験したようで,せっかくの休日だというのに少しぐったりした。
昨晩ふと思いついてから,これまで自分の身に起きた奇跡ような出来事について数えたりもしていた。
今となってはありとあらゆることが奇跡のように感じられるが,最初の奇跡だった閃きから,希哲館事業がここまでの形になったこと,時代,土地,家系,容姿にまつわること……特に信じがたかったことだけを挙げても五大奇跡か六大奇跡くらいはある。
これらに続くべきまだ起きていない奇跡は二つしかない。一つは希哲館事業収益化(デライト収益化)だ。もう一つが最後の奇跡になるだろう。
私が常識で考えればありえなさそうなことに希望を抱けるのは,実際にありえないようなことを数多く体験してきたからだ。
しかし,思い通りの結果が出るまでサイコロを振り続けることが出来ただけだとすれば,その環境に恵まれたことが最大の奇跡かもしれない。
「アクセルとブレーキを同時に押している」……これは非常に鋭くデライトの複雑な現状を捉えた表現だと思います。
また長い話になりますが,デライトは「安定拡大戦略」を取っています。つまり,堅調に拡大しつつ過熱は抑えたい,ということです。
デライトの母体である希哲館(希哲社)は,その名の通り,知を希求する万人の擁護者・支援者となることを使命として,いかなる権力者・権威者にも,資本家にも,大衆にさえも従わない経営体制の構築に腐心してきました。
権力者が言うから,出資者が言うから,みんなが言うから,黒いものでも白と言わなければならない体制ではこの使命は果せません。希哲社は,「希哲」の理念のみに従う企業である必要があります。
デライトもこの経営原則による制約を受けています。この手のサービスによくある,投資家に支えられて巨額の赤字を乗り切るとか,あるいはウィキメディア財団のように寄付に頼るといったことも出来ません。あくまでも「自活」です。
要するに,爆発的にユーザーを集めることはデライトにとって現実的なことでもなければ必要なことでもない,ということです。
収益や,最適化・チューニングといった開発進捗と歩調を合わせながら拡大を続けていくというのが理想であり,現実的に考えて唯一の生存戦略なのです。
ここでいうアクセルは,先日説明した「黄金循環」です。そしてブレーキが「難解さ」です。
今だから言えることですが,昨年,N10K 問題でデライトが少しバズった時,私が心配していたのは内容云々よりもデライトへの「負荷」でした。同時に捌けるアクセスは高が知れています。そこでどうしたかというと,それまで隠していたデライトの難解な話をひたすら書き綴ったわけです。思惑通り,騒動は早々に沈静化しました。
もちろん,わざと話を難しくすることはありませんが,それまで難解さを気にして出せなかった部分をある種の重石・篩として利用しながら出す,これは一石二鳥の宣伝手法でした。
このあたりの所感は22日の日記にも書いていますが,今はこういうバランス感覚が重要な時期だと感じています。
「デライトの雰囲気について」に続きます。