希哲16年1月13日,虎哲開発の特異性を「虎哲開発破戒録」としてまとめ始める。
- 略語を多用する(交度英語)
- 翻訳語を多用する(希哲館訳語)
- 版存管理司組を使わない
- C++ でウェブ CMS を実装
- 図を書かない(デルンに書いた方が良い)
- Javadoc の類を使わない(デルンに書いた方が良い)
- 技術ブログを書かない(デルンに書いた方が良い)
- SNS を使わない(デルンに書いた方が良い)
- ……
(考えてみれば,全て単独開発だから出来ることだ)
日本の情技業界を騒がせている業務素交流出事件に思うところあり,希哲館でも原則として素交を公開していく「素交公開原則」の採用を本格的に検討し始めた。
昨年の今頃もそんなことをぼんやりと考えていたが,特にこの頃,描出公開原則の成功に確信が持てるようになったり,政治参加方針の公開が考えられるようになったり,「隠すべきものを持たない強み」を実感することが多くなっていた。となれば,素交公開も自然の流れだろう。
もともと虎哲関係の素交は独自性が強過ぎ,動作環境も備立方法も特殊,文書や込め言には独自用語と希哲館訳語が満載という状態であり,盗んだところでまともに運用するのは不可能だ。これを「自然難読性」と呼び,ある種の強みと考えていた。
第一には,私自身の完璧主義的な性格であり,見せる必要もないところで不完全なものを晒したくなかった。
次に,希哲館事業収益化の不可能に近い困難さがあった。万が一にもなさそうだった成功の可能性を探る上で,万が一でもその障害になりそうな要素は排除しなくてはならなかった。手札は一つでも多い方が良かった。
これについては,デライト収益化が実現してしまえば無用の心配になる。
もう一つ,技術的な問題もある。昔から,デルンを基礎にした版存管理司組を構想してきたこともあり,素交公開するなら独自の基盤でと考えていた。無論,そんなものを開発する時間は無かった。
色々な意味で余裕が必要になるので,いずれにせよデライト収益化後に決断することになるだろう。
素交公開原則の利点はいくつも考えられる。献典としては死蔵してきた希哲館技術体系の宣伝,デライトも含めた希哲館事業全体の透明性・信頼性の向上,機密保持に関する費用削減とリスク低減,そして最も大きいのは開発者コミュニティを作れることだろう。
「KitHub」というのは一昨年思いついたことだが,それこそ GitHub のように成長すればそれだけで希哲館事業の強力な武器になる。
この日は久しぶりに希哲館のマスコット構想「きっとん」を思い出し,具体的なイメージを練ったりもした。これがのらくろに似ていることに気付いたのは収穫だった。
「バージョン管理システム」はコンピュータ上でファイルの変更履歴を管理するシステム。高度なものではネットワークを通して共有する事もできる。一般に,プログラムのソースコード管理に用いられるが,原理上はファイルであれば何でも管理できるため,原稿等の管理や共同執筆に用いられる事もある。
英語では「revision control software」等と呼ぶ事が多い。
バージョン管理システムのリポジトリーは,一般に集中型と分散型に分けられる。
リポジトリーを一つだけもつ。
Git,Mercurial,Bazaar など(多数のシステムが競合状態にある)。
リポジトリーを複数もてる。最終的にはリポジトリー間で同期を取る。
見方によっては、集中型をより単純にしたものとも考えられる。「作業コピー」の概念が無く,リポジトリーと作業ディレクトリーは一対一の関係にある。リポジトリとの位置関係を規定する必要がなく,管理を開始するのは比較的簡単。