宇田川の用語。
{あれ K#F85E/5B28-13BD}
宇田川浩行{あれ K#F85E/5B28-B061}
宇田川浩行{あれ K#F85E/5B28-E5A3}
宇田川浩行{デルン開発近況 K#F85E/5B28-EF6A}
宇田川浩行ウィキやブログを越える,新しいインターネットの情報形態として私が推進してきたデルン(deln)の開発も,「山場」というべき段階に入った。
デルンは,「輪郭法」(DG: delinography)という,人間の記憶を最適に形式化する理論に基き,勘報機(コンピューター)を使って個人の知識を整理・共有出来るようにした司組(システム)だ。
アウトライナーやマインドマップのように,情報を階層的に扱うことが出来るが,木構造ではなく画表(グラフ)構造に基いているため,特定の問題に限らず,一個の脳をそのまま抽象化したように操作出来る,というところに最大の特長がある。故に,これを「立体的アウトライナー」と呼んだり,その内容を「仮想頭脳」と呼ぶことがある。
希哲館事業は,今から約12年前,このデルンを中核と位置付けて始まった。だから,希哲館事業にとってもここが山場となる。
デルンは極めて実験的な司組であり,その課題は技術的なものに限らず,社会的に理解されるのか,受け入れてもらえるのか,という懸念も大きかった。昨年,デルンを誰でも使いやすいように簡易化・単純化したライト版デルンとして「デライト」(Delite)というサービスの構想が出来たことで,こういった課題においても突破口が開けた。デライトは一時公開に漕ぎ着けたものの,安定的な開発が難しく公開版は実質「放置」状態にある。
実は今,このデライトの再公開予定日を今月27日に設定して,それに向けた作業に没頭しているところだ。
希哲社にはすでに,C++ を基礎にした Cμ(シーミュー),Linux From Scratch を基礎にした SLFS(セルフス)と,論組(プログラミング)言語・応司(OS)開発の基礎があり,これを中心に,ウェブ前縁(フロントエンド)では altJS の νS(ニューズ)とライブラリ Aejs(イージス)など,完全にデルン開発に最適化した開発環境を整えている。
開発者としての私の日常は,輪郭法などの基礎理論,独自の言語群や応司(OS)の仕様や実装整理,捌き手(サーバー)の管理,必要な翻訳語を片っ端から検討,等々しながら,デルン・デライトの実装を進める,という世にも奇妙なものになっている。
希哲社の技術体系は,語り出すと概要だけでも本一冊書ける規模に成長しているためここでは長々と触れないが,世界にも類を見ない体系性を有しており,ある意味壮大な人体実験だ。この先に何が待っていても,興味深い事例にはなるのではないだろうか。