輪郭法の旧称は「森羅法」であり,知番の旧称は「知機万象番号」だった。
{希哲16年12月14日の日記 K#F85E/E74C-B161}
宇田川浩行ちょっとした用事を片付け,第二次快調期からまともに出来なくなっていた書類整理も少し進め,あとは大輪郭整備や考え事をして過ごした。
考え事での大きな収穫として,文書整備にかかわるデライト用語体系の方針がまとまった。
デライト用語体系に関しては,従来の輪郭法新用語体系を基礎に,初心者向けの分かりやすい代替用語の導入などを検討していたが,これはやめ,基本的に新用語体系をそのまま踏襲し,説明体系を洗練させていくことにした。
例えば,知名を「輪郭名」,知番を「輪郭番号」などと説明することを考えていたが,元々技術としての固有性・独立性が高い知番に関しては早々に断念していた。「輪郭名」などを補助的に導入するかどうかで最後まで迷っていたのが知名だった。この問題を考える上で,「知名」という用語の妥当性についても再考する必要があった。
「知名」の必然性について直感的な確信はあったものの,言語化が意外と難しかった。それを象徴するかのように,いつからか,輪郭「知名」の選り手は開きっぱなしで,再描出下書き抜控一覧を実装した頃から常に表示されている唯一の輪郭になっている。
知名は単なる「記事名」でも「題名」でもなく,森羅万象に付けることが出来る認知上の名前であり,その性質は既成語では表現出来ない。更に,「輪郭の名前」として輪郭に従属するものではなく,あくまでも「知の名前」として理解される必要がある。そうでなければ,そもそも輪郭が何を目的として何を扱っているのか分からなくなってしまうし,自己目的化しかねない。ここに知名という用語の必然性がある。輪郭とは,知の名前と知の番号を鍵に知そのものを具現化するものだ。
この方向で説明体系を洗練させていけば,代替用語は複雑化を招くだけのものになる。「急がば回れ」で,多少時間はかかってもデライトを正しく理解出来る説明をしていくべきだろう。この点において,特に「輪郭」「知名」「知番」「描写」といった基礎用語には動かしがたい“正しさ”があり,それは十分わかりやすく説明出来る。ようやくその確信が持てた。
{引き入れについてのご質問から考えたこと K#F85E/E74C-C61D}
宇田川浩行大変回答が遅くなってしまい申し訳ありません。色々なことを考えさせられるご質問で,デライトにとって非常に重要な宿題を頂いたように感じています。ありがとうございます。
だいぶ時間が経っているのでお考えが変わった部分もあるとは思いますが,他の方の参考にもなるように文章を残しておきます。まずは,ご質問の内容に沿って,出来るだけ端的に書けることを書いてみます。
引き入れについて
宇田川さんは、知名のみの輪郭をよく引き入れられ欄に引き入れているように見受けられます。
まず,「引き入れられ欄に引き入れる」という概念が私の中に無かったので,難しい質問でした。「引き入れる」というのは,ある輪郭の中に他の輪郭を文字通り「引き込むように入れる」,ただそれだけの極めて単純な操作で,それをする方にとっては「引き入れる」,される方にとっては「引き入れられる」ということになります。
例えば,フォルダの中にフォルダを入れる操作に相当します。ただ,多くのツールでは,データの内容とデータ同士の関連性は別々の画面に表示されます(別のウィンドウやサイドバーなど)。輪郭は,輪郭の内容と他の輪郭との関連性を一緒に表示させる仕組みを持っているのが特徴的です。これは,画面を切り替えたり視線を大きく移動することなく,内容と関連性を確認したり修正したり出来るようにする工夫です。
「輪郭をどの輪郭に引き入れたいか」というごく単純な考え方で使えるように設計したつもりでしたが,この見た目が「引き入れ欄に引き入れる」や「引き入れられ欄に引き入れる」という複雑な考え方をさせてしまっているのかもしれません。
このように、知名のみの輪郭を引き入れられ欄に輪括させるのは、主にどのような効果を狙ってのことなのか、ご教示いただけませんか。
あるいは、実際に効果があったと感じた出来事・体験をお伺いしてもよろしいでしょうか。