{希哲17年2月20日5歩 K#F85E/E74C-D898}
宇田川浩行Google のクロール統計で平均応答時間が異常な値になっている問題についての調査で終了。
Googlebot が稼動している捌き手の問題であることが判明したため,しばらく様子見することにした。
1月上旬から平均応答時間とクロール頻度が不自然に悪化した状態が続いていた。決して速くない自宅回線からでも大半のページが300ms前後で応答しているにもかかわらず,クロール統計ではほとんど600ms前後で高止まりしている。
1月上旬といえばデライト高速化が快調に進み,理論上も体感上も満足出来るようになってきた頃なので,明らかにおかしかった。Googlebot が握接しているページに Googlebot の用影で握接しても遅いということはなく,Applebot や bingbot はむしろ活発化している。
こうなると Google 側の問題か,と考え始めた。Googlebot は主に米国内から握接しているので,日本国内からの握接と多少の差があってもおかしくはない。ただ,これ以前にここまでの差を感じたことがなく,クロール統計上で1月上旬から悪化しているので,Google 側で何かがあったことになる。
ちょうど Alphabet が経営的にごたごたしていた時期でもあり,保守人員が不足しているとか設備を縮小したということはありそうだ。条件は不明ながら米国外の捌き手を使うこともあるそうなので,これまで近場の捌き手を使っていたのにデライトが高速化し過ぎて米国内からの握接で十分と判断された,なんて皮肉な話も考えられなくはない。
ここまで考えたところで ping
に200ms以上かかる Googlebot の IP アドレスを見つけ,原因は判明した。
こちらではどうしようもないことだが,不気味な現象だったので気分的にはすっきりした。むしろ,問題が解消した時が楽しみになってきた。
{あれ K#F85E/E74C-9D3A}
宇田川浩行{あれ K#F85E/E74C-C449}
宇田川浩行{第四次宣伝攻勢に向けて K#F85E/E74C-668D}
宇田川浩行デライトは,黄金週間初日となる明日29日,4度目の宣伝攻勢(第四次宣伝攻勢)を始める。これを機に,中断していた「一日一文」の日課も再開することにした。
デライトはいま,包括的な改良構想によって「新生デライト」に生まれ変わろうとしている。今回の宣伝攻勢のコンセプトは“新生デライト開発実況”だ。この一日一文も含めて,開発状況や開発者の考えなどについて積極的に発信していきたい。
森を見て木を見る
3度の宣伝攻勢から得た教訓は色々とあるが,4度目の宣伝攻勢を目前にしてつくづく感じていることは,結局,やってみなければ分からない,ということだ。
ソフトウェア開発をやっていると,ここが悪い,あそこが分かりにくいなどといったことばかり考えてしまいがちだ。とりわけデライトは新奇に見える代物なので,開発者も利用者も,“デライトの問題点”について考え込み過ぎる嫌いがある。
問題点を地道に改善していくのは当たり前のことだが,問題点ばかり見ていると,「問題があることが問題」であるかのような錯覚に陥りがちだ。問題のないソフトウェアなど存在しないので,これは「木を見て森を見ず」の罠でもある。広く使われている全てのソフトウェアは,それぞれに問題を抱えながら,それぞれの役割を果たしている。その全体像を見ずに問題の大きさを正しく見ることは出来ない。
そもそも,使いやすい UI,分かりやすい文書……などと全てを兼ね備えた優等生的なソフトウェアが世の中にどれだけあるだろうか。使いにくかろうが分かりにくかろうが,バグだらけであろうが,“使う必要”があれば使われる。それが現実だ。ツールも文書も,必要ならユーザーが作り始める。昔からそうやってソフトウェアは共有されてきた。
そこに革新性があればなおのことだ。誰でも戸惑いなく使える革新的なソフトウェア──そんなものは夢の中にしか存在しない。デライトがそうであれば,私はとっくに世界一の有名人にして世界一の大富豪になっている。冷静に考えれば馬鹿馬鹿しい話だが,知らず知らずのうちにそれに等しいことを考えてしまうのが認知バイアスの怖さだ。