デライトの HTTP/3 対応についての再検討で終了。
導入は簡単そうだが,まだ逆効果になる場合も少なくないようでちょっと迷った。低品質な通信環境に強いなど総合的な利点は大きいので,全体最適化を期待して近いうちに導入実験をしてみることにした。
導入は簡単そうだと思ったが,nginx ではまだプレビュー版らしく備立の管理が面倒臭そうだった。本体に取り込まれるのを待つべきか。
開発では地味な作業の積み重ねが目に見える成果になってくる一番楽しいところに来たが,ふと思い立って,雑務の抜本的な見直しも始めた。いよいよ本格的にデライト以前のような生活に戻れそうだ。
ここ半年ほど,希哲館事業外での体験に求めるものが増えてきたような,不思議な心境の変化を感じていたが,その原因も少しずつ掴めてきた。やはり,長期戦態勢に切り替えたあたりから精神的なゆとりが出来たのだろう。
新生デライトの完成を目前に第五次デライト市場戦略も固まり,気付けばデライトの完全な成功や希哲館事業の成功に対する焦りも無くなっている。油断するわけではないが,もうここまで来たら,あとはばら成し良く色々なものに磨きをかけながらその時を待つしかない,という心境になっている。少なくとも最低限やるべきことはやったし,時代を迎えに来れるところまでは来た。
思えば,私の人生は17歳の頃から希哲館事業の不可能性との闘いだった。特に,デルンの実用化に向けて本格的に走り出した頃からは,希哲館事業外で使うあらゆる力とあらゆる時間が惜しかった。そんな呪縛からも解き放たれたようだ。
今はこのデライトがあり,知識も経験も十二分に得て多くの迷いが無くなり,希哲荘を中心とした理想的な生活環境も整っている。これでデライト以前のような安定感を取り戻せるならそれほど心強いことはない。もはや無敵だ。
そんなことを考えていたら高揚してきてなかなか寝付けなかった。
デライト3周年,コロナ収束,誕生日……と何かと大きな節目が重なる時期だが,それも気分の切り替えに一役買っているのかもしれない。デライト正式離立からの3年がコロナ禍の社会の雰囲気と共にあった,というのが特に大きいのかもしれない。
SVG スプライトの手法を取り入れ,SVG アイコンの定義は icn.svg
に集約することにした。
SVG 出与えも Aejs に組み込んで直接挿入してしまうことを考えていたが,舞覧隠しの適切な分離が出来なくなる,要素の再利用に必要な id
属性が使いにくい,といった問題があった。外部 SVG を <use>
で利用すれば Shadow DOM になるので,id 属性の衝突などを気にせず要素を整理しやすくなる。
スプライト画像として background-image
で利用しやすいというのも大きい。:target
とフラグメント識別子を利用して表示要素を変化させる技術があることを知ったが,舞覧によっては効率的に隠し出来ないことがあるらしく,今回は見送った。<view>
が使えればいいが,Safari の対応に難がある。当面は古典的な座標指定で行くことにした。
アイコン制作では,アイコンを並べて全体のばら成しを見ながら調整することが多いため,見本を兼ねられるのも便利だ。
SVG スプライトだけで十分かもしれないと思いかけたが,<use>
1つでも若干冗長な上に,1つのアイコンの要素を細かく制御したい場合に <use>
が複数必要になるため,やはりスクリプトでの補完は欲しい。
一つ一つ課題を解決しながら進めているので時間はかかっているが,何かと知見を深めることが出来ている。やはり総合的に CSS アイコンの利点は大きいので採用方針は変わらないが,割り切りと誤魔化しの技術が肝だなと感じている。そこを抑えられれば強力な武器になる。
CSS アイコンの欠点として,拡縮時に歪みやすいということが理解出来てきた。スマートフォンだと再現しないので,サブピクセルのレンダリング問題なのかもしれない。拡大時に1px程度のずれが生じることがあるのはともかく,縮小時に細い線が消えたりもする。これは有名な CSS アイコン集でも同様なので,そういうものなのだろう。
もっとも,ラスター画像の主要な問題である高精細画面でのぼやけに対応出来れば十分とも言える。舞覧のズーム機能を使うような人にとって多少の表示の乱れは想定内だろう。あとは歪みにくい書き方・デザインの問題か。
すぐに終わるだろうという当初想定に反してもう少し時間がかかりそうなので,明日からは別の作業にも多めに時間を割くことにした。
脳爆発のおかげで検討作業では大きな収穫があったが,思考が広がり過ぎたか。サイクリングでそれなりに身体を動かしたにもかかわらず,夜は脳疲労感が強かった。他にちょっとした幸運があり,少し気が緩んだことも影響しているかもしれない。
最近,ちょくちょく「KNS の経済的合理性」について考えている。考えれば考えるほど,KNS は SNS と PKMS の相補的・相乗的な発展形であると同時に,経済的合理性において唯一の解だと思えてくる。
SNS の経済的な問題は,「献典の質」にある。開放的にして人を集めると,どうしても粗悪な献典が増える。そもそも,SNS における投稿は体験のための手段に過ぎないことが多く,献典としての情報価値が低い。
日常的な挨拶から「バルス祭り」まで,情報としての意味はない出与えを抱え過ぎている。砂金のために土砂を全部保管しているようなものだ。意味がないだけならともかく,不法行為やデマのようなものも誘発する構造を持っているのも厄介だ。放っておけば広告主が減るし,監視を強めれば人件費が増える。かつての匿名掲示板も同じ問題を抱えていたが,文字という最も軽量な情報が主でありながら維持費に収益が追いつかない理由だ。
他方の PKMS では,知的関心で献典が蓄積され,利用者も自然と内省的になるので献典の質や治安は総じて良い。
ただ,PKMS はとにかく「高コスト体質」になる。今まともに開発しようとすれば,厳重な制危と情報保護体制,複雑な WYSIWYG 選り手,自動保存,編集履歴,オフライン対応,ゆとりのある譜類上信機能あたりは基本として,OCR や人工知能くらい付いているのも当たり前になりつつある。デライトがこれらの機能を上手く切り捨てられているのは,やはり KNS という根想によるところが大きい。どれも SNS なら必要性が低い。
しかも,PKMS は閉鎖的なサービスなので収益化手段は限られ広告宣伝費もまともにかかる。Evernote にせよ Notion にせよ,SNS に比べると規模的には伸び悩みの状況にある。
そこで KNS たるデライトの出番というわけだが,KNS は KNS で「新し過ぎて理解してもらうのが難しい」という問題を抱えている。逆に言えば,ここさえ突破すれば SNS の次と PKMS の次を同時に創出出来る。SNS をメモ通類として使っている人,PKMS を情報発信に使いたい人はそれなりにいるので,突破口は確実にある。
今月に入ったあたりから,ぼんやり考え事をしてしまう時間が増え,進捗はそこまで悪くないものの,思うように集中力が高まらなかった。上手く言い表せないが,「迫り来る何か」に揺さぶられている感覚がずっとある。
まず考えられる原因は,1月の脳爆発の反動と疲労だ。1月だけで半年分の仕事はしてしまった感がある。その後の雑務が上手く片付いた解放感も手伝って,ちょっと気が抜けてしまったのかもしれない。そういう意味では,必要な休息でもあったのだろう。
もう一つは,新生デライト開発における「マラソン終盤効果」とでもいうべき心理だ。1月の脳爆発以降,予定になかった当努を多数挿入してしまったとはいえ,それを差し引いても新生デライトの完成が遠く感じる。ここ数ヶ月だけでも明らかに多くのことを実現しているのに,もう少しだという意識が高まれば高まるほど残りの当努が重く感じる。
加えて,「デライトの完全な成功」が意味するものの微妙ながら小さくない変化がある。イーロン・マスクによる Twitter 買収以降の SNS 戦国時代で,デライトが一気に大舞台に引っ張り出されてしまった。
ほとんどの競合が「次の SNS」に留まる中,KNS として「SNS の次」のビジョンを明確に提示出来る世界で唯一のサービスがデライトだ。それを世の中に伝えることが出来れば,世界一の大富豪を制し,世界情勢をも左右するネット文化の大革新を果せる。
希哲館事業が長年目指してきたことが,ここ数ヶ月ほどのあいだに急速に,目前に迫ってきている。昨年の日記にも似たようなことを書いているが,その時の「デライトの完全な成功」と「世界史上最大の成功」が定義上の,やや観念的な結び付きだったのに比べて,今のそれはずっと生々しい,世俗的な現実感を伴っている。いまデライトの完全な成功を果すことと,世界中の注目を集めること,莫大な利益を得ることが直結しているからだ。これも当努と同じで,もう少しだと思えば思うほど時間が長く感じる。
この難しい状況で平常心を保つために,とりあえず,目の前の当努と輪郭整備を極力強く意識することにした。考えても疲れるだけのことは考えないようにする。
今年に入ってから,新生デライトの完成への意識が高まったこともあり輪郭整備にほとんど時間を割けなかった。今日は開発作業の合間にちょこちょこ輪郭整備をしてみたが,やはり精神衛生上の効果が大きいと感じた。
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}{ダークテーマの様子・輪郭選り手}{ダークテーマの様子・輪郭小窓}{ダークテーマの様子・Mermaid}{ダークテーマの様子・注意補足部区}{ダークテーマの様子・引用部区}{ダークテーマの様子・検索ページ}{ダークテーマの様子・文書ページ}{ダークテーマの様子・設定ページ}...出振るいと一通りの手定め・調整を終え,ダークテーマ実装が一段落した(22歩)。実質的な機能公開は設定ページのテーマ切り替えボタンを解放した24時45分頃。
元々持ち辺が高くなかったこともあり,早くて機能公開は一週間後,満足出来る品質に達するのは数ヶ月後かという感覚でいたが,昨日「暗いデライト」の真価に気付いて集中的に調整を進め,ほとんど理想的なダークテーマが出来てしまった。今後は実際に使いながらの微調整程度で十分だろう。
ダークテーマの有用性については個人差・環境差が大きいが,それだけに選択肢が出来た意義はデライトにとって大きい。装体整理兼ダークテーマ実装を通して装体書の全体的な見直しが進んだことも大きな収穫だった。